芝居が女の武器ならば

ラガヴーリンの香りが彩る


ウィスキーの歴史は短調を思わせて


その土地の笑顔やお祭りでさえ


私には悲しげに見えた。




バーテンダーが微笑む




それは誰にも向けられたものであり


誰かのものではなかった。




街が眠りについてしばらく経つ


今日も変わらない1日が終わる。




私は少し酔って店の扉に手をかける




「またお待ちしております」




いつもの心配気な顔が、たまらなく心地良かった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る