受賞作品のつくりかた②

続きですー。このページで最後です。



気を付けたこと③ 長編化を見越して。


こちらも募集要項に書いてありましたね。

以下抜粋【編集部としてコンテストを実施する以上、ぜひ長編化のご相談の上、書籍化したいと思える作品を選びたいと考えています。これは壮大なストーリーのプロローグだ! 今後もどんどん魅力的な男子を出したい、活躍させたいという方のご応募をお待ちしています。】


この中からパワーワードの抜き出し。

〇長編化のご相談の上。

〇これは壮大なプロローグだ!


上記のパワーワードの意図は簡単ですね。

中編じゃ商売にならないので、長編への改稿に対応できる方のみご応募ください……とも読み取れる文章かと思います。いくらでも改稿しますとも????


あと売れた場合の商品開発を想像した場合、コミカライズやアニメはもちろんのこと、アプリゲームとかにしやすそうな題材がいいのかな、とかも思いましたね。ツイステや刀剣乱舞を目指すなら。イケメンがたくさんいる作品はグッズ化とかしやすいってどこかで聞いたことあります。男性向けで言うハーレムものと同じ原理ですね。


なので、イケメンがたくさん出てくる作品が良さそうかと。

あと、軍とか戦争ものは避けた方がベター。

自分の力量問題もありますが(幼女戦記を超えろってか?笑)、社会情勢的に当時は戦争は避けた方がよさそうでした。

(商業の場合、社会情勢が流行りに大きく影響するようです。景気がいい時はダークな作品が流行りやすいし、景気が悪い時はチートものが流行りやすいし、みたいなやつですね)


なので、軍隊物は避けよう。

でもってイケメンをたくさん出して戦うなら……お仕事ものがベター。

「趣味☆人〇し」というサイコパスは書いたらめっちゃ楽しそうだけど、商品的には厳しいかなと思います。書き手としては楽しそうだけどね!!!(そういうの好き)

そして「戦う」相手は……人間だと色々制約がでやすいので、魔物・モンスターにしよう。いくらでもぶっ●●せる!!(個人的な趣味で言えば、暴れるモンスターをとことんぶちこめす系が昔から好きです)


しかし、肝心の「何の仕事」にするかが決まらない。

小説を作るときだけではないらしいのですが、アイデアとはしょせん、アイデア×アイデアの組み合わせなんだそうです。旦那が読んだ自己啓発本に書いてあったらしい。


なので「戦うイケメン」というアイデアに、何を×(かける)か。

いろいろ考えた結果「運び屋」を題材に選びました。

けっこう周期的に大ヒット作品が生まれている気がします。

でも……ブームは少し落ちた頃合いかな、とも。


合わせて思いついたのが閉鎖的な世界。だけど外界にはたくさんのモンスター。他の町に行くためにはモンスター蔓延るフィールドを通って……まるでRPGゲームですね! 戦うイケメンが必然的に戦ってくれるようになりました。やっほい!


では、モンスターはどんなのにする?

うーん……よくあるけど、わかりやすく「機械を食べる」にしようか。それなら、主人公は機械だな! ヒューマノイドが主人公! やっべ、心理描写書くの絶対に楽しいじゃん。笑顔で可愛い新人なんだけど得体のしれない怖さがある主人公……普通なら難しいけど、大丈夫。私なら書ける!(たまに根拠のない自信って湧きますよね。実際、この主人公くんのせいで書籍化作業の時けっこうやり直しくらいました。あんなに直したのは本作が初めてです。たのしかった♡←創作に関してはどMです)


「運び屋もの」だと、「旅もの」でもそうですが、たまの「ケレン味」がイキたりします。私、後味悪い結末、けっこー好きなんです。


なので、何を運ばせたらエモいかな?

そうだ、仲間の……(ネタバレになりますので、ぜひ書籍をお読みください♡)


さて、ここまで考えたらあとは書けると思うのですが。

(応募要項トップに【キャラが立った男たちが】とあるから、キャラの立たせ方が気になる方もいるかもしれませんが、理論的にキャラを立たせる方法がわからないので割愛させてください。そこはいつもノリです!)


あと大事なのがパワーワード二つ目の【壮大なプロローグだ!】だと思います。

つまり……プロローグでいいんですよ。

もちろんイベントとして起承転結を書かないと、「この作者ちゃんと物語を完結まで書ける人なのかな?」とか技量面のアピールに不足してしまうので、ひとつのカタルシスは与えられるように締める必要がある前提ですが……あとは「この物語の続きが気になるな?」と思わせたら勝ち!という解釈をしました。


なので、世界観とかは「面白そう」と思わせたらぶん投げでいいんですよ。

どうして世界に巨人が蔓延してしまったのかとか、明かす必要はないんです。お母さんが目の前で巨人に食べられてしまうけど、エレンが巨人をやっつけて「心臓を捧げよ」エンドでいいんです。


実際にその方式で書いたら、受賞作発表の時に「世界観にミステリー要素があり」などと評価ポイントとして挙がっていたので、正解だったと思います。


ここの不自然に差し込まれていた文章に気付いて、しっかりと要望通りに調理できた人が勝てたコンテストだったのかな、と思っていたりします。



と、そんな感じで書いた『女王の靴は泣かない。』が無事、カドカワBOOKSさんの目に止まり、この度4/10に『「女王の靴』の新米配達人」として刊行されることになりました!


公式紹介サイトはこちらです

https://kadokawabooks.jp/product/joounokutsu/


余談ですが、「女王の靴(レギーナ・スカルペ)」ですが、スカルペは普通に「配達人」という意味です(何語だったっけな?)。そして「靴」自体は、足を使って運ぶやつらにするから、そこから「靴」を連想して……「女王(レギーナ)」。おまえのペンネームなんだと気にしたらいけません。「靴」につけるカッコいい枕詞あ「女王」だっただけです。「クイーン・スカルペ」より「レギーナ・スカルペ」の方がしっくりくるでしょ? 私だけ? でも身を削って作品書けばいいことあるだろうというジンクスがあるので(デビュー作も、すっごく思い入れのある過去作品から名前を大量にもってきたらデビューできたので)、今回のご縁もレギナさんが女王の靴レギーナ・スカルペを書いたから引き寄せることができたと思っています。


どーでもいい話になりましたが、今回のコンテストのみならず、普段からこんな感じで連想して作品を作っています。少しでも誰かの参考になりましたら幸いです。


そして、少しでも「ためになる話だった!」と思っていただけましたなら、

ぜひ4/10発売のカドカワBOOKS刊『「女王の靴」の新米配達人 しあわせを運ぶ機械人形』をお手にとっていただければと思います。


夏子先生のイラストも激熱です!! イラストのクオリティが高い!

それだけでも買って損はありません!

もちろん本文も自信作です。

台詞だけではなく、地の文もただの説明じゃない、楽しい作品となっています。


それでは、どうか本作をよろしくお願いします!!

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