第46話 17時42分 好機
あの時願った犯人がやっと僕の前に現れてくれたんだ……
僕の体をこれ以上労わる必要もない。
後はあいつを殺すまでもてばいいのだから。
そして、万が一殺すことができなかったとしても……何を間違えても……こいつに殺されることだけは避けなければいけない。
こいつの懲役を僕がチャラにしてしまうことだけは――
僕は飛び込んだソファーの逆側から半身を出し銃を構えた。
サキュバスもロビーのソファーやテーブルを遮蔽物として利用するつもりなのか、走り込んでいく真っ最中だ。
僕は迷うことなく引き金を引くも、横に動く相手に当てられるような腕ではなかった。
「はぁ~やる気出しちゃってめんどくさ~い……でも告発はリスク高いのよねぇ……万が一にでもあんたが
言葉を突如止めテーブルの上にサブマシンガンを乗せ、半身で構えていた僕へ向かって銃撃を見舞う。
頭に血がのぼっていながらも言葉に耳を傾けてしまっていた僕は、意表を突かれる形となり、肩の肉を削がれる結果を導いてしまった。
「ちっ! めんどくさいから当たれっつーのッ!!」
「きーきー金切り声ばっか叫んで五月蠅い人だよね。そんなヒス持ちだから今の状況になってるって理解できないのかな……?」
こいつ相手に咆えてもダメだ。
煽って煽って少しでも有利な状況にしなければ――
肩の出血を抑える手に自然と力がこもる。
「あぁーー!! ごちゃごちゃといらねーことばっかりのたまう口だなぁ!!」
怒りに任せて僕の隠れるソファーに銃弾を集中させる。
どんどん弾を消耗してくれ。
理想は弾が尽きた時にその致命的な事実に気が付くことだ。
「むしろあんたに必要なことだと――」
背中を預けていたソファーの側面から突如サブマシンガンが現れる。
「なっ――ッ!! ――いぎッ!!」
僕は咄嗟に前転し、倒れたテーブルの影に隠れるが容赦なく撃ち込まれた弾丸は、僕のふくらはぎを食い破っていた。
「あ~惜っし~……でもその声はどっか当たったわよねぇ……」
銃弾の音ばかりに気を取られて目視を怠った自分に怒りが込み上げる。
乱射後の隙間を狙い、反撃とばかりに数発の銃弾をソファーの側面に打ち込むが、不意を突かれたという動揺に震える手ではソファーに打ち込んでしまうばかりだ。
「出血多量ってどれくらいなのかしら~……でももう時間がないのよねぇ……」
認めろ……!
こいつのほうが
それでもなお僕が
倒れたテーブルの天板から威嚇射撃と共に相手を見る。
互いが時折、視線を交差させては頭を引っ込めつつ銃だけを覗かせた銃撃戦が続く。
その最中、フロント背面のアナログ時計は17時47分を指している。
もうほんとに時間がない……
だが、僕以上に相手のほうが焦っているはずだ。
そして僕も同様だ。
次回参加うんぬんではない。僕は
だからこそこの
悔しくも僕と
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