おまけエピソード1 強者みちるの爆誕経緯

 顔面偏差値天井越え みちる 28歳。

 内科クリニックの看護師。


 彼女はこどもの頃からとにかく顔が良かった。童顔だけどよく見ると全てのパーツが整っている美人だ。色白で健康的な平均体重だが体のラインはとても綺麗である。


 こどもの頃から老若男女に好かれ、どこに行っても可愛がられた。中学・高校時代は男子によくモテていて、とくに先輩からの告白が多かった。生まれつき女性が好きであるみちるにとって、よく話したこともない男から受ける自分への好意は、どこか邪さが見てとれて嫌だった。


 初めて女性と付き合うようになってからもみちるの恋愛はなかなかうまくいかなかった。綺麗な顔立ちゆえに他人からの好意を受けることが多いみちるは、歴代彼女からの嫉妬や依存に苦しめられた。


「私はどこへも行かないから、安心してさえくれればもっとうまくいったのに。」と、そんな気持ちがある。不安にさせてはいけないのだと学習してからは、愛情を示すために精一杯尽くしてみれば、今度は底なし沼のように愛情を試され、そして求められた。


 そして、可愛いからと言ってちやほやされたり世話を焼かれることも飽き飽きしていた。私は自分で何でもできるし、欲しいものは自分で買う。今は誰とも付き合っていない。この状況どうすんの?なんて疲弊していたときに現れたのが今の彼女である妙だった。


 圧倒的顔がかわいい。しかも6つ年下。可愛がられるのではなく可愛がりたいと言う衝動が叶いそうな予感。自分と同じくらい可愛い子。劣等感やどろっとした依存にもならないのでは、、


 絶対、手に入れる。そう決意して出会った当日に本当に手に入れた強者みちる。



 付き合い始めてしばらくしたある日、妙がこんなことを言った。


「あのさ、花粉症の薬がそろそろ切れそうなんだよね。クリニックに行きたいんだけど、付き合ってるのに職場に行くのもアレだから、別のところにしようかな?」


 ん?バレないように配慮ってこと?


「んーん。全然大丈夫だよ。おいでよ。」


「そう?なら行くけどさ。」


 そうして翌日、妙はみちるの働くクリニックに再診してもらいに行くことにした。


 

 受付に妙が現れると、ペコッと頭を下げて診察カードを出す。


「こんにちは。お願いします。」


 受付の若い女性が診察カードを受け取る。


「こんにちはー。あ、」


 なにかに気づいたようである。え、なに?


「ちょっと待っててくださいね!みちるさーん、彼女さん来ましたよー!」



!!!!????


 妙は予想外の言葉に絶句して固まった。診察カードの名前で自分がみちるの彼女であると認識されたということは、知られているということ??!


「あ、ああの、ちょっと声が大きすぎでは・・・。」


 慌てて受付の女性に小声でそう話しかけるが、全く意に介さないように、


「あ、大丈夫ですよ。もうみんな知ってますから。」ニコっ。



(!!?? いや、ニコってなんだよ!? は?みんな知ってるってどういうこと?)



 そうこうしていると奥からみちるが上機嫌でやってきた。


「妙ちゃん♡待ってたよ♡」


(あああ、その愛しいものを見る目、可愛いけど今はやめて!他の患者さんもいるのよ?)


「ちょっと、、どういうこと?彼女だってバレてるんだけど??」めちゃ小声の妙。


「ん?大丈夫大丈夫。私患者さんとかにも隠してないし。」めちゃはっきりみちる。


「私の愛しのハニーが来るって院長にも言ってあるんだぜ♡」


 何人たりとも自分を口説かせないための、ハニーいます♡カミングアウト済みのみちるなのだった。





「まじか。。。か、菓子折持ってくれば良かった。。。」



 

 強者、みちる。






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閃いた。

どうでしょう?








 


 


 

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