8

翌朝。


目が覚めると隣には愛華さんが、まだスヤスヤと眠っていて。


愛華さん寝顔もかわいいんだなぁ。なんて考えていると、愛華さんも目を覚ます。


「お、おはよう…。あ、愛華さん…。」


「えへへ〜。おはよ〜むつき〜。」


お互いに挨拶を交わすと、しばらく横になったままゆっくりし。


やがて二人で起き上がると、リビングへと向かう。


リビングに着くと、いつのまにかお母さんは帰ってきていて。


私と愛華さんは挨拶をすると、お母さんが用意してくれた朝ごはんを一緒に食べる。


ニコニコしている愛華さんに、お母さんはまたわけのわからないことをいろいろ言っていたので。


後でまた謝らないと…。と考えながら、朝ごはんを食べ終える。


それから、部屋へと戻るとこれからどうしようかという話になり。


ずっとお邪魔しているのは悪いから、よかったらうちに来ない?と愛華さん。


別にお母さんは気にしないし、むしろずっといてほしがりそうな気もするけど。


でも、愛華さんは気を遣ってくれてるし。


なんて考え。


本音を言うと、愛華さんのお家に行ってみたいと思った私。


それを伝えると、愛華さんは喜んでくれて、勉強道具などの準備をして向かうことに。


お母さんは私が思っていた通り、ずっといてくれてよかったのにぃ。と悲しんでいたけど、愛華さんのお家に行くことを伝えると、今度は喜び。


愛華さんがまたお邪魔させてもらいますね!と笑顔で言うと、さらに大喜びすると見送ってくれる。


電車に乗って愛華さんが住んでいる街の駅まで着いた私達。


まずは、愛華さんの提案でショッピングモールの下着売り場へと来ていた。


それはなぜかというと、昨日私が用意した下着の代わりを返したいということで。


別にいいのに。と伝えると、それはだめー!と押し切られてしまい。


愛華さんは私にかわいい下着を選んでくれて。


愛華さんも自分のを買いたくなったみたいで。


なぜか今度は私が愛華さんの下着を選ぶことになり。


ここで愛華さんのサイズを知り驚くことになるのだけど、今はそれよりも頑張って愛華さんに似合うかわいい下着を選ぶと、喜んでもらえて。


そんなこんなで、お昼の時間になり。


ファミレスでお昼ご飯を済ますと、愛華さんの住むマンションへとやってくる。


案内された愛華さんのお部屋は、ぬいぐるみがたくさん置かれていて。


私のとは違っていて、かわいいお部屋になっていた。


そのことを伝えると、愛華さんはぬいぐるみを抱きしめ照れながらも喜んでいて、愛華さんのかわいさに感動してしまう。


さて、それから勉強会が始まり。


昨日よりも長い時間にも関わらず、集中する愛華さん。


そんな愛華さんを見ていると、私も一緒に頑張れていて。


テスト範囲を全て勉強し終える。


そして、ご褒美の時間がやってくる。


昨日と同じご褒美でいいのかな?と考えていると。


「今日のご褒美なんだけどね。あたしがむつきにしてもいいかな?」


「う、うん…?あ、愛華さんが私に…?」


「うん!お願い!」


そう言う愛華さんは真剣な表情で。


私は愛華さんのお願いを聞くことにした。


そのお礼の内容は昨日の漫画の別シーンみたいで。


「むつきはそこに座っててね!」


どのシーンか聞かされておらず指示に従うと、愛華さんは私の後ろに座り。


私をそっと抱きしめる。


驚いていると。


「むつき。ありがと。これからも仲良くしてね。」


と、耳元で囁くと続けて。


「大好きだよ。」


突然、好きと言われてまた驚いてしまう私。


「えへへ!最後は漫画のシーンのセリフ!言ってみたくなっちゃって!お礼なのに驚かせちゃってごめんね!」


と、謝る愛華さん。


たしかにそういうセリフあったなと思い出すと納得する。


私も憧れるシーンで、愛華さんが言ってみたい気持ちもわかると。


ただ、突然のことで顔が赤くなってしまった私。


愛華さんもさすがに照れているみたいで、顔が赤くなっていた。


それから、ご褒美タイムが終わると、そろそろ帰る時間となる。


「そ、それじゃあ私そろそろ帰るね…!あ、明日からのテスト頑張ろ…!」


「うん!頑張ろー!」


と、話すと立ち上がり帰ろうとするのだけど。


愛華さんは私の手を掴む。


どうしたのかなと思い、愛華さんの方を向くと。


「あ、ご、ごめんね…。」


と、悲しそうな表情で。


どうしたのかな…。と心配になると。


昨日、眠る前の会話を思い出した。


それは、一人暮らしで寂しい時があるという話で。


「それじゃあ玄関まで送るね!」


と、元気に振る舞おうとする愛華さんに。


「あ、愛華さん…。あ、あの…。め、迷惑じゃなかったら、今日泊まっていってもいいかな…。」


そう提案する。


すると、愛華さんはすごく嬉しそうな表情で。


「うん!泊まって!えへへ!むつきー!泊まっていってー!」


と言うと、私を抱きしめる。


こうして、二日目のお泊まり会が始まるのであった。


テスト開始まで残り1日。




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