充填(じゅうてん)

 香り高い純文学と私は読んだ。

 両親が離婚に至った背景は明示されてないが、幼少期にせよ現在にせよ主人公の心境は非常によくわかる。

 自分になんの責任もないのは理解しつつも、まさか他人事にできはしない。さりとて干渉のしようもない。そんな煮え切らない心地が、踏切に集約されている。

 必読本作。

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