第8話 ひきこさんとは?

毘沙門天

仏教における護法神。四天王の多聞天のことであり、密教の十二天の一人。戦いの神、財福の神として崇められている。


上杉謙信と武田信玄の呪術合戦

川中島の戦いは、上杉謙信と武田信玄が互いに飯綱法を駆使した呪術合戦だったといわれている。

飯網法

イヅナ(管狐に似た小型の狐)という小さな魔獣を操る妖術。イズナを思うままに使役して、人に取り憑かせたり、心を読み取ったり、物を盗んだりする。長野県にある飯綱山の飯綱明神と深い関係があるともいわれている。

帝釈天の必勝祈願法

帝釈天に戦勝を祈願する呪法。戦の前に、三日、七日など決められた期間、帝釈天を供養し、真言を唱える。帝釈天に祈れば国家繁栄が願える一方で、もし怒らせてしまえば国に戦や災いをもたらしてしまうという。


上杉景虎の定めた五か条の戦陣訓


一、何年陣をはることになっても、

一、陣中であらそう者は成敗する。

一、そなえについて意見ある者はいえ

一、出陣の命にはいつでもしたがう

一、たとえ一騎でもはせさんじる。


「みなにいいたいことがあります。これから、わたくしは、天下をめざすことにいたします」


家来衆達はおどろいた。


「天下で、ございますか」

「そのとおりです。わたくしはずっと考えてきました。いつ理不尽な暴力を振るわれるかと、いつ愛する者を奪われるかと毎日おそれなくてはならない、このような間違った世界はわたくし達妖怪の手で終わらせねばなりません。民が安心して、日々を暮らせる、王道のまつりごとがおこなわれる慈愛の国をつくりあげねばなりません

そうね、ドーナツやケーキをみんなで分け合える国がいいですわ」

「王道のまつりごとですか! ひきこ様はその様なことをお考えだったのですね」

「ひきこ様、是非1度、私の大好物・ホイップクリームドーナツと抹茶チーズケーキをお召し上がりくださいませ!」


家臣たちの中には感動のあまりほうっと、ため息をこぼす者も多かった。


「しかし、我が甲斐を思うと、四方をお山に囲まれて窮屈ですし、理不尽な暴力や差別を目に止めても、見て見ぬふりをする者も多く、決して慈愛の国とはいえませんわ。天下をめざすには、まず、エルフの村や、猫耳族の王国などにも負けない平和な国にわたくしたちもならねばなりません。そのためにはいじめに苦しむ子供達が安心して過ごせる居場所を増やしつつ、容易に敵に攻め滅ぼされることのない、強い国になり、民を守らねばならないのです。そして、可愛い男の子がいれば、おでこをくっつけてあげたり、お鼻をくっつけてあげたり、抱きしめてあげるのも忘れてはなりませんわ」

「最後の部分はただの変態じゃないですかぁああああああああああああ」




さて、ひきこさんは自信にみちた声で、いった


「よいですか? わたくしは、この甲斐を足がかりにして、どこにも負けぬ強い国をつくりあげてみせます。それから、少しずつ周りの国を従え、ゆくゆくは京へ出て、天下を治めるつもりです。理不尽な暴力や差別に苦しむ民を取りこぼし無く救うために……」


家臣たちに向かって、ひきこさんはいった


「よいですか? わたくしは、十分に考え抜いたうえで、勝てる戦しかいたしません」


※上の茶番劇は気にしないでくださいね(注じゃあ何故書いたのよ!?)


名前:ひきこ

身長:長身

CV:未定(田中敦子?)

一人称 わたくし

誕生日12月1日(とされている)

愛読書:孫子の兵法(※冗談です)

登場作品:風林火山、甲斐の虎、高の原、松来十勇士など

将来の夢:ショタと結婚すること

 【薄雪姫との関係】

 初恋の男の子が薄雪姫ことダーク・ネルトスと被っているため、一方的に恋のライバルと認識されステーキにふる塩を譲ってもらえなくなった。この時、毘沙門天に塩を貰ったことで、『敵に塩を送る』ということわざが妖怪の世界に広まった

※薄雪姫は北条氏ではないし、ひきこさんは武田信玄でもないです。

【解説】

敵対者には口角と目尻が裂けた顔をした非常に背が高い女性で、体にはボロボロの白い着物をまとっている、という姿で語られる怪異とされていたが、実際は非常に背が高く凛々しい美女で、体には威風堂々とした佇まいに相応しい豪勢な白い着物をまとっている、という姿をした大妖怪。

【教養】

 大佐様同様『孫子の兵法』を愛読し、軍略によっていじめに苦しむ善良な子供達を救おうとした……ら、面白いのになぁ。

【生前】

ひきこさんは、かつて超越者であった。背が高く活発で容姿も可愛らしく美しい声をしていた彼女は、先生たちのお気に入りで、逆にネフィリムの血を引く同級生たちからは妬まれていた。そんなある日彼女を妬む同級生の誰かが名前が偉そうだからという理由で、ひきこを虐め始めた。

ランドセルに虫を入れたり、上靴をずたずたにされたりといった行為は序の口で、最終的にはエスカレートしたいじめグループのリーダーの何人かが彼女の足の紐を括り付け、「ひいきのひきこ、引っ張ってあげる」といいながら学校中を引きずり回したことで、ひきこは酷い傷を受け、学校に行くことを拒否

ひきこはずっと部屋にこもり、布団を被って泣いていたが、酒乱だった父親は酔ってはひきこに暴力を振るい、母親もひきこの味方をせず、ひきこを引きずり回した挙げ句、食事も与えなくなった。その間ひきこは部屋に入ってくる虫やカエルを食べながら飢えをしのいでおり、それを見た両親はますますひきこを気味悪がるようになってしまう。

 こうして、ひきこは苦しみ悶えながら、怪異化

ある雨の日、数年ぶりに部屋から出たひきこは両親を断罪。それから彼女は雨の日、弱い者いじめを行う悪人を退治する妖怪になり、人々から讃えられたという。

【性格】

勇猛果敢にして誇り高く誰よりも人を愛し、極めて寛容な性格。然し同時にいじめられっ子の幸せの為ならば一切の情を捨てる生き方を選んだ。

【性癖】

ひきこさんは、内気で擲果満車な美少年の前ではドジでポンコツなお姉さんになる。一人称もわたくしからお姉ちゃんになる。そう、ひきこさんは、筆舌に尽くしがたいレベルのショタコンである。捨て犬やのっぺらぼうのことを内心弟にしたいと思っており、捨て犬とおでこをくっつけたり、捨て犬と鼻をくっつけたり、捨て犬を抱きしめたいと思っている。

※のっぺらぼうの存在を無視しているわけではないです

なお、本人曰く『わたし、ただでさえ、捨て犬ちゃんに普通に嫌われてるのよ。せーへきがばれちゃったら……普通に嫌いだったのに、カエルさん並みに嫌いにまでランク・ダウンしちゃうわ』

ツッコミ:どっちにしろ、嫌われてるじゃないですか! 

【交友関係】

キツネお姉さん、ハーピィ族のアデラ、風の神殺し、フェロモンたっぷりでダイナマイトボディが自慢の美人な幽霊のお姉さん・桃、ダイナマイトボディの美女冒険者のベアトリーチェとはショタコン同士かなり気が合うので、仲良し五つ子姉妹(血縁関係は皆無だが)である。

なお、彼女たち以外にもエッチなお姉さんは多数存在しており、捨て犬やのっぺらぼうに深刻な性被害を与えている。

【苦悩】

 天網恢恢疎にして漏らさず:当初、ひきこさんは、いじめや虐待の加害者という悪を憎む一方、彼らが被害者に対して懺悔して、己の所業を後悔した場合は、殺さないという方針を取ろうとしていた。だが、激戦の末、いじめや虐待の被害者を思うあまり、加害者への殺意を抑えきれずになっていき、あるいじめ加害者の両親をも、(加害者である娘をきちんと厳しく叱責した挙げ句、被害者にも相応のお詫びをしたのにも関わらず)、始末してしまったことが、朝加警視正の不興を買い、戦いが勃発してしまう。


【関連人物】

ハサミの怪

ある女の子が学校の帰り、道端で拾ったハサミにまつわる怪異。それから学校で家庭科の授業があった際にそのハサミを使っていると、一人の女の子がその子の布をそのハサミでずたずたに切り裂いてしまった。

さらにもう一人の女の子が「あなたの髪切ってあげる」と髪に手を伸ばした

だがその時、ハサミがひとりでに動き出して髪を切ろうとした子の目を突き刺し、直後布を切った子の腹部に突き刺さった。

このハサミの元の持ち主はいじめを苦にして自殺した女の子であり、彼女の霊がハサミに乗り移り同じようにいじめられた子を助けてくれたのである。

久保考夫『女子高生が語る不思議な話』に載る


菊池彩音


チェーンメールにて語られる怪異の一つ。菊池彩音の幽霊本人が書いたという体裁でメールは綴られ、それによれば彼女は生前両親からの虐待や学校でのいじめを受けていたという少女で、そのイジメの一環としてまずクラスの男子に片目を潰され、さらに両親に残った目を潰されたという。

そしてその恨みからまず両親の目を潰し、さらに殺害するに及ぶが、その翌日クラスの男子二人によって殺害されたと語る。しかし死してなお彼女はかつて自分を殺した男子を3人とも殺害し、そして友だちになってくれる人を探してメールを送っているのだという。もし彼女と友だちになりたくない場合は、彼女が指示する人数に三日以内にメールを転送しなければならない。そうしなければ彼女によって殺されてしまうのだ。

メールの文中からは復讐として相手を殺すことを楽しんでいるような様子も伺える。また自分の写真と称して添付ファイルを送付してくることもあるようだ。



サクサクー

下半身を欠損した怪異の一つ。除雪車によって胴体を切断された少女の上半身が肘を使って運転手を追いかけてきたという。

常光徹也編著『ピアスの白い糸』に載る上半身の怪。東京の女子短期大学生からの報告であることが記録されている。名前の由来は雪の上を移動する際の擬音からのようだ。






黒魔術の基本法則



太古の時代から、魔術の基本は「類似の法則」と「感染の法則」であり、これら二つを合わせて「共感の法則」と呼ばれている。

・たった二つの基本法則からなる黒魔術

黒魔術であれ、白魔術であれ、魔術の最も基本的な法則は、太古の時代から現代まで、全く変わっていない。その法則は、「類似の法則」と「感染の法則」の二つで、これら二つを合わせて「共感の法則」と呼ばれている。そこで、魔術には類似の法則に基づくものと、感染の法則に基づくものがあることになるが、前者は「類感魔術(類感呪術)」、後者は「感染魔術(感染呪術)」という。また、それらを合わせた教官の法則に基づく魔術は「共感魔術(共感呪術)」という。これらの用語は、ジェームズ・フレイザーが20世紀初頭に書いた未開社会の研究書『金枝篇』の基づいており、知っておくと便利である。

類似の法則と感染の法則の意味はおよそ以下の通りである。

第一の類似の法則は、類似したものは類似したものを生み出す、というものである。たとえば、AとBが似たものであった場合、魔術師がBに対して何事かをすれば、それと同じ効果がAに対しても現れる。あるいは、魔術師が、Aが何かしている様子を模倣すると、Aもその通りにするということである。このような魔術の代表は、もちろん人形を使った黒魔術である。





摧魔怨敵法


摧魔怨敵法は主に国家や一族を滅ぼすために行われた密教魔術の中でも強力な呪法だがさまざまな時には一個人を呪殺するためにも用いられた。







六字経法

六字経法は天狐、地狐、人形の形をした三類形を調伏炉で燃やして行う密教の黒魔術師で、平安時代の皇族や貴族の権力闘争でしばしば用いられた。

・天狐・地狐・人形の像を燃やして呪う黒魔術

六字経法は六字明王を本尊とし、憎い敵を呪い殺すために行う密教の呪法である。六字明王のかわりに、六観音(聖、千手、馬頭、十一画、准胝、如意輪の六観音)や聖観音を本尊とすることもある。平安時代の豪族や貴族の権力闘争でしばしば用いられたが、12世紀前半には、興福寺の勢力と対立した鳥羽上皇が、六字経典の実施を配下の者に命じ、敵を呪わせたという記録が残っている。

やり方は次の通りである。六字明王を本尊とするならば六字明王の図像を掛け、その前に護摩壇と調伏用の三角形の護摩炉を設置する。調伏用の護摩木(若木・木の根など)を炉の中で燃やす。六字明王の真言「オン・ギャチギャチ・ギャビチ・カンジュカンジュ・タチバチ・ソワカ」を繰り返し唱えて本尊を招く。

あらかじめ、天狐(トビ)、地狐(犬)、人形(呪う相手)の形をした類形を、各7枚、合計21枚容器に用意しておき、真言を唱えながら護摩炉にくべて焼く。三類形にはすべて呪いたい相手の姓名を墨で書いておく。

焼いた灰は容器の中に取り、保存する。護摩檀の上に弓矢を用意しておき、葦の矢を東、南、北、上、下の順に六方に射る。以上が一日分の儀式で、これを7日間行う。そのあとに呪詛の依頼主に三類形を焼いた灰を送り、湯で溶いて飲んでもらうのである。

これですべての儀式は終わりであり、あとは敵が死ぬのを待つばかりなのである。

 ここで述べた六字経法は真言宗のものだが、天台宗にはこれに対抗するために発明された「六字河臨法」という呪法がある。


降三世明王の調伏法

憎い相手を単純に殺すだけでなく、恐怖と不安で苦しめたり、病気にして苦しめたり、仮死状態にしたりすることのできる密教の呪法


・憎い敵を恐怖と不安で苦しめて呪殺する

降三世明王の調伏法は、憎い相手を単純に殺すだけでなく、恐怖と不安で苦しめたり、仮死状態にすることのできる密教の呪法である。降三世明王は大威徳明王と同じく五大明王の中の一尊で、三つの顔と8本の腕を持ち、髪の毛を炎のように逆立てた恐ろしげな姿をした明王である。一説に、大日如来の化身ともいわれる。

 降三世明王の調伏法を行うには、次のような準備をしておく必要がある。すなわち、49日間、五穀(米・麦・粟・豆・黍)と塩を絶ち、「オン・ソンバ・ニドンバウン・バアラ・ウンハッタ」という降三世明王の真言を十万回唱える。こうして身を清めることで、神の加護が得られるからである。そして、調伏用の護摩壇を南に向けて設置し、その前に降三世明王の図を掛ける。それから、目的に応じて次の儀式を行うのである。

 憎い相手を恐怖と不安で苦しめるなら、棘のある木を用意し、「オン・ソンバ・ニソンバウン・ギャリカンダギャリカンダウン・ギャリカンダハヤウン・アナウヤコクハギャバン・バサラ・ウンハッタ」と唱え、木を焼く。これを324回行うのである。

 



毘沙門天の呪殺法


毘沙門天の呪殺法は、権力に反逆する者や極悪な犯罪者に対して大きな力を発揮するが、相手に応じて儀式を変化させる必要がある。


・毘沙門天の図像を自ら描いて呪詛する


毘沙門天の呪殺法は、毘沙門天を本尊として憎い相手を呪殺する密教の呪法である。権力に反逆する者や極悪な犯罪者に対して大きな力を発揮するが、相手に応じて儀式を変化させるという特徴がある。毘沙門天は多聞天とも呼ばれ、仏教の守護神を代表する四天王の一尊であり、北方を守護する武神である。

 毘沙門天の呪殺法のやり方は次のようなものである。まず、左手に三叉の檄を持ち、右手を腰に当てた毘沙門天の姿を自分自身で描く。また、毘沙門天のそばに付き従う哪吒太子と、足元に座した夜叉を描く。

 誰にも見られない地を選んで護摩壇と三角形の調伏炉を設置し、その前に毘沙門天の図像を掛ける。調伏壇には種々の花を飾り、清潔な衣服を身にまとって香を焚く。

呪殺の儀式は、月が欠けて完全に見えなくなった夜に開始する。憎い敵を打ち破る呪詛の陀羅尼(呪文)「オン・チシャナベイシラ・マドヤマカラシャヤヤクカシャ・チバタナマクバガバティマタラハタニ・ソワカ」を30万回唱える。それから香を炊いて尊像を供養する。

 これ以降は呪詛する相手によって異なる儀式を行う。

国家への反逆者を呪殺する場合には、松葉を三角炉で燃やす。それから、「バザラチシツバン」

と唱えながら、想像の世界に入り、敵の頭部と心臓に金剛杵を打ち込むのである。

暴力的な極悪人を呪殺するには、調伏の呪文を唱えながら苦練木を三角炉で燃やす。さらに、苦練木を煮た汁に黄土を混ぜて敵の人形を7体作り、胴体に呪詛する相手の名を書く。



参考書書籍

『現代怪異事典』著朝里樹

『風林火山』著司馬遼太郎

『創作のための呪術用語辞典』著朝里樹

『図解黒魔術』

『図解魔導書』

『風雷忍法帖』

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