見ている

「ぐちゃぐちゃ」という言葉をテーマに、ホラーによくある不快な表現を次々と上げつつ、ぐちゃぐちゃした思考を表しているのが、近寄りがたさを感じさせます。
不気味、恐ろしいというほどではないのがうっすらと絶妙に寒気と呆然を感じさせる塩梅は見事。
「読者自身がある人の思考を覗いている」オチを持ってきて、こちらも巻き込まれたホラーになっていて良いです。
しかも特に解決しないので後味も悪い。

ところで最後の一文の一人称が違いますが本当に「ぐちゃぐちゃした思考をしている私」と「最後の俺」は同じ人物なのでしょうか?