散歩

六本木

東京に行った時。

 さねちーが潰れたので、家に置いておいて、ふらっと深夜の散歩に出ることにした。

 

 深夜の六本木。

高級マンション群を抜け、公園に入る。誰もいない。

僕はブランコに腰かけ、ぼーっと砂場の方を見る。

 これから、何処に行こうか。

有名な毛利庭園は、もう閉まっているだろう。一度見てみたかったのに残念だ。


まあ、適当にブラつくか。


東京ミッドタウン裏の高級住宅街を歩く。

六本木は案外、治安は良くないらしい。まあ新宿歌舞伎町とかには負けるが。

僕は男だし、そこそこ強い方だと思うので、大丈夫だろう。


首都高の高架下を通り、六本木通りに出る。

 近くに墓地があった。

 そういえば、さねちーは死んだら、この辺りの墓に入るのだろうか。

 実家は北海道、真葛家本家は京都。そこに入るのかもしれない。

 さねちーのことだから、死んでも高い墓とか葬式はしなさそうなイメージだ。最近流行りの小さなお葬式ってやつ。


 僕は、どうしようか。

 正直、死んだら死んだなので、その後のことはどうでもいい。

 焼くでも、埋めるでも、海に流すでも、死体を見つけた人の好きにすればいいと思う。


 今日の散歩はこれまでにしよう。

僕は、来た道を引き返した。

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