第7話 いきなり行けといわれても

「破壊神はお断りでさぁ」

 開口一番でそれはどうなのだろう? 店としていいのだろうか?

「買うのは俺なんですけど……」

 店員の少しちっちゃな女の子に目線を合わせてそう伝えると女の子は首を振り

「たとえ破壊神が買うわけじゃなくても付き添いで来ているってことはアンタも破壊神2号の可能性があるじゃないか、そんな相手に商売は出来ないね」

 そういって金槌をクルクル回しながら俺の目の前のテーブルに振り下ろしてきた。


『バンッ!!!』

振り下ろされた場所を見ると白い煙が立ち昇っている金槌と50センチ四方のクレーターが出来ていた。

「へぇー、アンタスゴイじゃないか今のでビビらないなんて……。気に入った、鉱石を持ってきたらオーダーメイドで武器と防具をタダで作ってやろうじゃないか」

 不適な笑みで俺を見つめてくるが、そんなことはどうでもいい……。ビビってるに決まってるでしょ! いきなりで思考停止してただけですから! 何考えてるんですか、この脳筋な女の子は! 親はどういう教育してるんだよ! いきなりじゃなくてもやっていいことと悪いことの区別くらいしてよ! それに鉱石って何? どこにそんな物があるの?

商店で売ってない? 

「破壊神と破壊神2号、アパラチア鉱はグズマルド鉱山にあるから気をつけて行ってこいよ」

 そういって投げ渡された皮の袋を受け取ったが、そもそもアパラチア鉱とは? グズマルド鉱山とは? 疑問しか生まれない会話だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る