Hug me.

鳳凰睦実/ꓤOꓤꓤƎ

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始まりは完璧だと無邪気でいたかった心根

あまりに暖かい未来がその先で待っていたとして

この奇跡を許されているうちに消えたいのにどうして

終わりの夜が来るまで火を焚いては待っている


あなたよりぐちゃぐちゃな心があるから鏡で確かめてみて

そう馬鹿にしても『ぎゅっと壊させない』とそれがあなたという人で


『カウチの隙間みたいに 幸せな思い出をまた落として

 忘れたとしてもなお 今日は二人消えていないだけで幸せなので』


それなら泣きたいくらいの喜びと悲しみを分けへだてないで

これら全てを二人の思い出にすることを繰り返す日々にしたくて

『君となら大丈夫 どこまでも行くことを望んだだけで

 あまりにもありきたりで 恐ろしささえない場所へ』


わたしが思うよりもわたしは言葉に出せなくて

全部失くしても失くせないものが一つだけあるって

何にもなっていないほど白い文字の羅列だって

わたしじゃないと伝わらない想いがあふれている


演者が子供らしく笑う度に わたしの顔は惨めになって

真っ暗なエンドロールに反射しても気づかないでほしくて


『みんなは君が目をつむって笑う顔ばかり大事そうで

 その瞼の裏に秘密があることを知ってから朝を迎えるため』


たくさんの色で塗り潰された灰色みたいな生活だとして

その為に「次は何を描こうね」と恥ずかしくなるくらいに笑って

『些細な過ちも許すより他にないからこそ僕らはただ泣いて

 ありきたりな画になるように 君と素直になりたいだけ』


何一つ分かり合えない日々のすべてに

たどり着いたはずと思って生きてきたのに

そうして確かに気づき始めていく

あなたに生かされているって


それなら泣きたいくらいの喜びと悲しみを分けへだてないで

これら全てを二人の思い出にすることを繰り返す日々にしたくて

『君とだから大丈夫 どこへでも行くことを望んだだけで

 あまりにもありきたりで 恐ろしささえない場所へ』


それから遠くへとまた逃げてしまったなら千年後の未来まで

行くあてもないわたしを受け止められるように扉を開けていて

『そして灯りを消した暗闇でも手をそっと重ね合わせ

 君がいたんだと ひたすらに信じていられるため』

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