第2話

「ぬいぐるみに語りかけてるんだよ。それがさ。タクちゃん、好き好きーって」


「間違いないぞ。俺はちゃんと窓辺に擦り寄って、カーテンをそっと、向こう側にきづかれないようにして、開けて、覗いたんだから」


「そしたらな、キャミソール姿で、

頭、お団子にして、風呂上がりの頬、上気した女がぬいぐるみ抱きしめてた!!

熊の熊のぬいぐるみ!!!」


「いやだから、お前が言うな気持ち悪りぃな」


昼休み。屋上でそんな会話をされた日には。

食事も喉を通らない。

だって、幼馴染、橘ヒナタとは犬猿の仲。

最後に会話したのも喧嘩だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る