なまめかしく、不穏に

冒頭から醸し出す不穏な空気。

がらりと場所も雰囲気も変わるのに、最初に感じた不穏な感覚が大きくなっていく。

 こう言ったら失礼だが、何となく展開の予想はできる。なのに、おどろくべきはその魅せ方だ。

 わかっているのに、最初に感じた不穏さがずっとまとわりついて、暗闇を歩いているような不安にとらわれる。

 そして、状況がひっくり返るときの緊張感。

 強い性的表現はないのに感じるエロスと恐怖。

 すべてがこの短い小説の中に凝縮されています。

 ぜひ、感じてみてください。