第3話 神様らしい

 何となくツッコまなければいけない気がした。後悔は無い。


 「えーと、名前がマサーシーって、これ恐竜キングで使ってた名前だよな?まぁ、本当の名前とそんなに変わって無いからいいかな。体力はどういう基準なんだ?」


 ほとんどの場合、ステータスにはHPやMP、攻撃力などが表示されている事が多いのだが、見た感じ大雑把にしか表示されていない。

 そもそも、数値として高いのかも分からん。予想としては、平均的な数値だと思う。


 「スキルの項目か、『ダイナソー』と『恐竜図鑑』はそのままだろう。何故ダイナソーと表示されているのか分からないが。恐竜図鑑に関しては、児童書籍のようなものなのか?『ショップ』は多分何か買えるのだろう。お金が無いが。『鑑定』は王道中の王道だろうな。」


 さて、問題は称号だ!!ツッコミどころが多すぎる。

 何で『Dinosaur King』なんだ?直訳で『恐竜キング』ひねりが無さすぎる。そもそも恐竜の王者って、ティラノサウルスじゃあなかったっけ?俺、人間よ?

 次は『自称 恐竜博士』。何?自称って。そもそも恐竜博士とか言ってたの、保育園の頃だぞ!!子供の言ったことを称号にすんなよ!。

 そして、一番の問題児?問題称号?『お前の女は俺の物』。俺、一回もそんなこと言ったこと無いぞ?誰かに見られたらどうするつもりだ!!軽蔑されるだろ!どっかのガキ大将のような口振りで、人の女に手を出すなよ!!というか、この称号付けたやつ、絶対日本のこと知ってるよな!


 一通りのツッコミが終わった後、ステータス画面の左上が点滅している事に気が付いた。

 よく分からないが、触れてみると、画面が切り替わった。

 画面には、小学生ぐらいの年齢の子が映っていた。


 「どもども、呼ばれて飛び出て『ピー-------------------』

神様です。」


 初っ端からぶっこんできたぞ、おい! 


 「突然のことで驚いたかもしれないが、君には異世界に来て貰った。何でこんなことをしたのか疑問に思うだろうが、君にはとっくに説明してある。記憶が無いだけでね。そちらに送る際、トラブルが起きたせいで一部の記憶が消去してしまったみたいだ。申し訳ない。ただ、安心してほしい。奇跡的に消えた記憶のうち、全てが神界で説明した時のものだったから良かったよ。最悪、全ての記憶が消えた状態で送られていたかもしれないからね!」


 話をかみ砕くのに時間がかかったが、俺は記憶が一部無いらしい。てか、俺、神界に行ったんか・・。

 

 「もう一度言っておくが、そちらの世界に行きたいと言い出したのは君の方からだ。そもそも君を神界に召喚した理由は、僕の話し相手になって欲しかったからなんだが、意味が分からないって顔をしているな。」


 俺は今そんな顔をしているらしい。

 だって考えてもみろ、平々凡々な、この俺が神様の話し相手とかありえないだろ。

 『赤ちゃんが突然踊り出す』ぐらいおかしな事だぞ!


 「赤ちゃんが急に踊り出したら、ある意味ホラーだね!」


 今、こいつ心読みやがったぞ!!

 

 「いや、口に出てるから・・・。まぁ、そんなことはどうでもいいんだよ。君をわざわざ神界に呼んでまで話した内容は、恐竜についてなんだ!!」


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