第27話 二人のエイリアン

「フラフとの居候ライフはどれくらい?」


「まだ数週間です…」



あの日から数週間。どうしてもフラフが野薔薇さんに会いたいと言って聞かず、母さんや姉さんの前で大泣するので俺は仕方なく野薔薇さんに電話をかけた。

泣きたいのは俺の方だって言うのに…。

野薔薇さんと出会ったのと同じショッピングモールのフードコートで待ち合わせをして、今各々好きな物を昼食に食べながら会話している。



「ごめんなさい、俺まだ自己紹介してなくて…。桜木岳春、えっと…大学生です」


「岳春君か、いい名前ね」


「あ、ありがとうございます。今日はお時間取ってもらってすみません。フラフがどうしても野薔薇さんに会いたいって聞かなくて」


「僕、蝶々のこと好き。ねえ蝶々のおうち行きたいなぁ」


「ああ…そうね。流石にフラフ君やコスモスのことを外で話すのは気が引けるわ。うちでよければうちで話しましょう」



いつもみたいに可愛子ぶって愛嬌を振りまくフラフだったが、野薔薇さんにはあまり効いていないようだ。

野薔薇さんのおうちに急遽お邪魔することになり、ショッピングモールで慌てて間に合わせのゼリーを買う。

野薔薇さんにべったりのフラフを射るような目で見ているコスモスさんがあまりにも怖い笑みを浮かべていたので、今日の夢に出てきそうだ。



「いくつか聞きたいことがあって」

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