第27話 この状況を一刻も早く切り抜ける為に必要不可欠なファクターとしてですね、そうだな、私自身のブランド力をバーサスで考えてくと。そういう事ですね。

 デーブルに置かれた出来たてのお茶を見てショーンKは察した。


『さてはこのお茶にもなんか入ってるな〜!?』


 大正解である。


 追い詰められたショーンKはジャッカルより勘がいいようだ。


「かつ昨今の世界情勢。戦争や…この辺りでは魔物も増えていると。それに対しても早急に対応をしていかないといけない。そういう風に私は、考えて…います。」

『すごいやつだと思え!ボクをすごいやつだと思い込め!』

 ハッタリをかますショーンK。


「そ、そうなんだ〜!もしかして法務省の人間だったりするの〜?」


 人狼はショーンKの術中にハマった。


「まあご想像にお任せするよ」


「そうなんだ〜」

 人狼は完全にショーンKを法務大臣だと思い込んでいる。


 ショーンKはさらに攻める。

「少し喋りすぎたかな…」


「ままま待ってくれ!極大魔法とか使わないでクレェ!」


「んん?女の子の言葉遣いじゃないなあ」

「わわわ使わないで欲しいのよ〜!」


 ショーンKは人ならざる者をからかうのが楽しくなっていた。


「んん?まさか君は人間じゃないのかい?それはいけないな」

「ヒィィィィ!お助けぇ!」


 調子に乗りはじめるショーンK。

「大人しく森へ帰って、金輪際こんりんざい人間に対して悪さをしないなら見逃してあげてもいいが」

「は、はい!スミマセンでしたーー!!」

 人狼は少女の姿をしたまま泣きじゃくり、その場で土下座をした。


『ふふふ、思惑おもわく通り』

 ショーンKは心の中でほくそ笑んだ。



 …だが、ハッタリは長く続かなかった。


「よし、ならば帰りなさい。この家は私が法務省に報告して処分してもらうから」


「うぅ…ん??」

「…あっ」

 調子に乗りすぎて、ボロが出てしまった。



次回、ショーンK死す!?

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