VSガイコツ編

第2話 目を覚ますとそこは草原大地が広がる摩訶不思議で風光明媚な異世界なのでありました

……

…ビュオオオ


「風が吹いている?」


猛スピードで迫ってきたトラックのエンジン音も、通学中である学生の喋り声も聞こえたない。


「眩しい…!」


目を覚ましたと同時に日光であろう光が古舘の目に突き刺さってきた。


古舘の身体は仰向けに倒れていおり、背中には柔らかいが冷たい感触が感じられている。

「原っぱ??」


古舘は上半身を起こして周りを360度見渡す。


トラックはおろか、車道も歩道も信号機もない。

あるのは遥か彼方まで広がる草原と丘。そして目の前には日本では見たこともないような、松に少しばかり似ている木があるだけだ。


唯一あまり変わらないのは空模様くらいか。晴天だ。


だが場所がどこだかが分からない。少なくとも日本では無さそうだ。


「気を失っているうちに誰かが運んだのか?」


古舘はトラックに轢かれた際の記憶を必死に思い出す。


「というかあんな大きなトラックに猛スピードではねられて……」


体中をペタペタ触るが、傷ひとつないどころか痛みも感じない。


ふとそのとき古舘の頭に、ある事件が思い浮かんだ。


近頃、周辺の仕事関係者数人が神隠しにあったかの如く忽然と姿を消してしまった事件があったのだ────

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