第13話 ウエディングベル

 「ウエディングベル」という歌が、昔流行ってました。

振られた女性が、今でも好きな男性の結婚式に行くという内容です。

結婚式が始まって、終わるまで。コミカルで軽快な雰囲気の歌です。


まあ、招待状を送る男も男だけど、行く方もなかなか。初めてこの曲を耳にした時に、そう思いながら聞いていました。


で、ラストのセリフを聞いて、これを言うために行ったのか、と思い直したのです。

どちらかと言うと、感情は女性よりなスタンスでした。

碌でもない男だなと。


久々にこの曲を思い出して、改めて聞いて。

ちょっと考えると、彼女は正式に付き合ったのだろうか、もしくは告白して振られているのか、疑問に思ったんですね。


あの頃は、ストーカーなんてあんまり騒がれていない時代でした。だから、この曲を聞いた時に、そんな発想はなかった。


でも、結婚相手を知らない、結婚式に呼ぶ間柄で、最後に、にこやかに彼が近づいてくる。

これ、ヤバくない、と思ってしまった。


この女性、勝手に自分だけで一方的に思い込んでないか? という可能性に気が付いて。

会社の同僚か大学の友人か、男側にとってはそのくらいの存在としか思ってなかったから、招待状を送ったんじゃないのかな、と。


そこまで考え続けると、いや、ラスト、物騒な想像をしてしまいました。


言葉をどう想像して膨らますかで、なんかとんでもない解釈もできるんだなあ、と他人事のようにも思いました。



蛇足ですが、

「こっわー」と思って、『うたかたの夢』ができました。


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