第11話 恐いもの

 昔話が子供の頃から好きで、読みまくっていました。でも、最初は理由があったのです。

私は非常に怖がりで、おばけとかに祟られたくないし、妖怪にあっても死にたくない。それで、昔話を知れば妖怪の対処法とかが知れるのではないか、と考えて読み始めたのがきっかけです。子供の浅知恵です。

しかし、当たり前ですがあまり対処法とか書いていない。カッパの相撲とかはありますけどね。でも昔話は読んでいく内に嵌まってしまったという感じです。

ホラーだって怪談だって苦手です。できれば読みたくない。夜、怖くなったりしますから。でも、読んでしまう(昼間です)。関わらないでいるために、術を求めているんだと思います。ホラーに何を求めてる、と言われそうです。でも、でも、知らないほうが恐いことってあるじゃないですか。

前にも書きましたが、地域によって話が違うとかあるのに私はみんな、一緒くたにして頭の中に入っています。今では随分、こぼれましたが。

人気になっている『近畿地方の…』、あれとか読んで思ったんです。場所、重要じゃん。最初の対処法が知りたい!という気持ちが強かったのか、そんな所ばかりに着目してました。触らぬ神に祟りなしなら、場所をちゃんと認識しなければいけない、行ったら駄目じゃんとは思ってはいたんですが。方向音痴だからか、場所から目をそらしてました。

「普通は、何かを調べたりやったりするときは、積み重ねていくものなのだ。お前は横に拡げているだけで、ちっともまとめられない」

昔、叔母に言われたことがあります。正しくそんな感じだなと思います。だから、自分で解析したりするのは、苦手なんです。


 先日、ここにも書きましたが、蠱毒の対処法など『医心方』にあたったと。実は仙道篇を買ったのも、対処法を知りたかったからなのです。妖怪について書いてあると聞いたので。でも妖怪について書いてあるのはごく一部で、名前の如く仙人についてのほうが中心です。名前からしてそうですよね。

でも、中々中身は面白いです。一粒食べれば身軽になって飢えない非常食とか、火遁の術とか、水中で呼吸する方法とか忍者みたいな話とかもありますし、不老長寿になる方法、美人になる方法、頭をよくする方法とかあります。頭の良くなる薬とかの処方箋が載ってるんです。ちょっと欲しいかもと思いました。


まあ、他の内容はさておき、妖怪への対処法です。基にしている情報が中国の本なので、これ日本でも同じと言えるのか?という感じではあります。

何の日に「私は○○だ」と言うかによって、その正体がわかるという部分があるんですけど、日本の妖怪じゃねえみたいなところがあるし。『山の中で寅の日に「虞吏である」と名乗るのは虎だ』って、日本に虎はいない。それ以外に狼だ、鹿だ、竜だ、羊だ、といろいろあります。

その一つに『河伯』がでてきます。で河伯と名乗るのは魚だと書いてあります。注釈には河伯は水の神だと書かれてはいますが。河伯って河童だとか沙悟浄だとかいってますけど、魚なんだとびっくりしました。水の中で泳ぎが得意で、魚、違和感はありませんですけど。河童はどうかわかりませんが、河伯は魚が変化へんげしたものということなのでしょうかね。


鬼が苦手なものは人の唾だというのもありました。人の唾が苦手な妖かしの話は聞いた事がありますが、これ中国由来だったんですね。

それだけでなく、山の精は小児のような姿で、一本足で人を害するとあります。山の神様や化け物に一本足のものが出てきますけど、この話も中国由来なんでしょうかね。それとも、日本でも中国でも同じような現象がみられるんでどこでも一本足なんでしょうか。前に一本足と片目はタタラの影響という話を聞いたことがあったんですが、それだけではないということなのでしょうか。


私、怖がりなんで自然現象や歴史などで説明がつくならばその方が嬉しんです。でも、それで全部だと言うのはちょと違うと思っちゃうんですよ。それ以外のものが、ありそうなので。

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