第4章 デート 第4節 大切に守りながら

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 10月7日金曜日、

沙恵さえ二郎じろう

再びデートすることになった。


 本厚木で待ち合わせをして、

『餃子の王将』で

夕飯を食べることにした。



 「ねえ、二郎ってさ、

子供の頃、猫が苦手だったよね。」


 そう言って沙恵は、

餃子にぱくついた。


 「ああ、さすがに克服はしたよ。

だけど正直俺は、

犬の方がいいかなあ。」



 二郎は子供の頃、

猫にしつこく追い回されて、

猫が怖くなり苦手になった。


 猫は女性に喩えられることもある。


 猫に追い回されたように、

二郎は学校の女子生徒にも

好かれていたようだ。


 バレンタインには、

今年はいくつもらった、

と数を自慢げに話すこともあった。


 しかし二郎は、

モテたがっていたわけではなく、

モテたことを自慢していたわけでもなく、

沙恵を焦らせたかっただけだった。

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