第2話

 その後、何食わぬ顔で教室に戻り今度こそ持ってきてあった菓子パンをカバンから取り出しスマホ片手に食べ始める。

 適当にネットニュースを流し見し、飽きたら読み途中のネット小説を開き読み始める。

 そんなことをしていると菓子パンをあっという間に食べ終わり一端ゴミを捨てるためにスマホをしまい立ち上がる。

 ごみを捨て終わるとふと買ってあった飲み物がなくなっていたのを思い出し買うために校内の自動販売機がある場所へと向かって歩き始めた。

 まだ昼休みということもあって廊下には多くの生徒が立ち話などをしていた。

 突然だが俺が通っているこの学校が作られた理由を話そう。

 数年前、俺が中学二年生の時いつも見ていた夢が終わりを迎えた日、突然世界中の人々の頭の中に不思議な声が響いた。

 それを皮切りに人々に不思議な力を授けた。

 その力は今までは物語の中でしか存在しなかった力、それらすべてを通称スキルと言われる力が発現した。

 それと同時にそれぞれの人々に様々な役職、すなわち『ジョブ』というものを授かった。

 そのギョブにも何段階か階級のようなものが存在し上に上がるほど強いスキルを覚えると言われている。

 さらにギョブは今までの経験によって上がる事例も確認されておりそれをジョブチェンジと言われている。

 そのような強大な力が世界中の人々に発現したことによって最初の一年弱は世界中の犯罪が活発になり混乱に陥ったりなどもした。

 さらに最悪なことにジョブやスキルが発現するのと同時に世界各地にダンジョンと言われるものが現れた。

 最初は政府が軍をダンジョンの中へと派遣しダンジョンがどういう場所なのか調査をした。

 その調査によりダンジョン内は様々な構造をしており全体が石造りの迷宮のような構造やどこまで続いているのか分からないほど広い様々な自然環境が広がっていたりなど現代技術では解明できない世界が広がっていた。

 そのダンジョン内には物語の中に存在する様々な生物、すなわちモンスターが生息していた。

 そのモンスターに対して現代兵器を駆使し殲滅をしようとしたが一時的に減りはするがどこから生まれてくるのか減らしても減らしても永遠にいなくなることがなかった。

 そのため政府はダンジョン内の調査を中止し最低限モンスターが外に出てこないかを監視するだけにとどめた。

 しかし、半年ほど監視していたがいつになってもモンスターが外に出てくることがなかったためついにはその監視すらすることがなくなった。

 しかしその油断がのちの災いをもたらした。

 その災いとは大量の魔物が外へとあふれ出す現象、いわゆるスタンピードが起こったのだ。

 そのスタンピードによって多くの命が失われ絶大な被害を受けた。

 そのスタンピードはその後何とか収めることができたが世界中に恐怖を与えた。

 それにより今後同じような過ちを起こさないために世界中の政府はジョブやスキルを活かした職業狩る者ハンターを作った。

 最初は軍人や警察などの今までも武器を扱っていた人たちの何人かをその狩る者ハンターに異動させたりなどしたが、ダンジョンという未知の場所に行くため少なくない人が帰らぬ人となった。

 それを踏まえ政府は苦悩の末一般人にも狩る者ハンターになることを許可を出した。

 その瞬間たとへ死と隣り合わせだというのにあるかもわからない幻想を求め世界中の人々はこぞって狩る者ハンターへとなっていった。

 しかし誰でもなれるというものではなくなるには成人を迎えていることもしくは成人を迎えていないが十五歳以上であり親の許可をもらい政府か用意した世間ではギルドと言われる場所で試験を受けそれに合格することで狩る者ハンターになることができる。

 しかしそれだけでは大抵の人は狩る者ハンターになることはできないそのため政府は狩る者ハンターになるためにダンジョンや戦うすべを学ぶための学校を作った。

 その一つが俺が通うこの学校、私立命千寿めいせんじゅ学園である。

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