日出国の騎士

立花夕口

プロローグ

 石碑語訳:6ページ目



 今となっては昔の事だ。天下にその名前を轟かせた武士がいた。その者は私の時代には日出国ひいづるの騎士と呼ばれるようになる。彼は立ち向かう人々の旗頭となって先頭に立った。暗い闇夜に幾つもの光の粒が煌めく。そのうちの一つが太陽のように輝く。天子と対をなすその剣士は幾つもの闇を切り払って民を導く。……………………



 本を閉じて懐にしまい、前を見る。手には桜色の刀身をもつ刀。目の前には大量の黒い魔物。その奥にすべての元凶がたたずんでいる。今日が数千年の生きづらい日々を終わらせるか、続けるかの境目だ。

「お前たち!!今日が運命の日だ。存分に刀を振るえ!  行け!!」

駆ける。刀を構えて俺たちは魔物の集団に突っ込んでいく。

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