妖しく恐ろしく、だが魅力的な他人の夢の中

夢を喰らう「獏」の力を持つ少女の物語です。

少女の役目は、人の心を狂わせる恐ろしい夢を消してしまうこと。
あまりに怖い夢は見る者の精神をむしばみ、やがて病へと至らせるから。

でも他人の夢の中で主導権を握るのは、夢を見ている本人。
想像さえできれば何でもありの世界なので、
他人の夢の中に入るのは、身の危険を伴う行為です。

悪夢の描写が秀逸だと感じました。
現実ではない違和感のある雰囲気、
まるでシュールレアリスムの絵画を見ているような、
気味が悪いのに強く惹きつけられる世界です。

全体的に夢を見ているかのような雰囲気で進むのも好きです。
その夢見心地な空気感が、思春期の少女たちの心を反映していると感じました。

あなたは他人の悪夢をのぞいてみる勇気を持っていますか?
さあどうぞ―― この作品が導いてくれるでしょう。