第22話

ゾビ男は、俺の事を助けに来てくれた。

ゾビ男が、隣に居るだけでものすごい安心感がある。


しかし、魔法使いのあいつだけ何もしてこなかったのが、不気味である。

不気味だと思い、ゾビ男の後ろで睨んでいると、急に立ち上がり三角帽子を脱いだ。


「王様、エルフの国に戻ってきてください。」


三角帽子を脱ぐと、エルフの特徴的な尖った耳が出現した。

魔法使いは、エルフだった。

ゾビ男に、ひざまずきエルフの国に帰ってきてほしいとよく分からない事を訴えてきた。


ゾビ男は、エナさんが作ったゾンビのはず。

ゾビ男が、エルフの国の王様!?


「ア~?」


ゾビ男は、いつものようにアーしか言っていないので、何かの間違えではないか?

それとも、このエルフは頭がおかしくなったのではないか?

っと、思いエルフに話しかけてみた。


「あの、ゾビ男がエルフというか、王というか、そんなんじゃないですよ?」

「何を言っている貴様!!『エアランス』!!」

「うあ!!」


俺の質問が気に食わなかったのか、先ほどまでおとなしかったエルフが風の魔法で俺を攻撃してきた。しかし、ゾビ男が俺が買ってあげた剣を使い魔法を防いでくれた。


「メレッタ様が、待っています。王様戻ってきてください」

「アー?」


メレッタは、確か王様を奪いエナさんに偽の罪を着せて、国外追放と死刑を言い渡されることになってしまったクズの張本人ではないか。それが、何故王様を探している?


王様はメレッタと婚約していると思ったが、王様もメレッタがクソやろうと分かり逃げたのだろうか?

しかし、それが何故ゾビ男なのだろうか?


「き、貴様が王様を洗脳したのか!!」

「はぁあ!?」


ゾビ男が、先ほどからアーしか喋らないので俺が何かしたのか疑い始めた。

妄想も、ほどほどにして欲しい。


「俺がするわけないだろ!!」

「貴様!!貴様が、王様を!!お前を殺して、王様の洗脳を解く」


もう、話も聞かずに俺の事を殺しにかかってきた。


「ファイアーランス!!」


ゾビ男が、剣で魔法を弾いてくれる。


「王様すいませんが、多少痛い思いをするかもしれませんが覚悟してください。『ボム』」

「グゥウ」


爆発系魔法の爆風で俺たちは小屋の外に追いやられた。


「お前たち、あの女を殺せ!!」


数十人のエルフが潜んで、魔法使いの号令に従って、矢を俺の方に向けて一斉に攻撃してきた。

しかし、ゾビ男は、剣で矢を打ち落とした。


「ア”....ア”あああああああああああ!!」


剣に魔力を込め斬撃で木の上に居るエルフを攻撃し、全滅させました。だが、自分自身も負傷をした。


「やはり、王様ですね。邪魔をするなら動けなくするまで!!」


魔法使いは、俺ではなくゾビ男に向け魔法を放た。


「ファイアー!!」


しかし、剣で魔法を打ち消しゾビ男はエルフの魔法使いに走って近づき斬りかかろうとするが、爆発系の魔法で距離を取られたりとゾビ男も苦戦を強いている。


しかし、ゾビ男は一気に距離を詰めた。


「ク...ボム!!」

「グア」


爆発系魔法がゾビ男の顔に当たったが、鎧のおかげで何とか耐えきったが、ゾビ男の顔の鎧は壊れてしまった。


「グああああ!!」


ゾビ男は魔法使いのエルフを斬り倒しこっちに近づいてきた。


顔の鎧が壊れたことにより、ゾビ男の顔があらわになっている。ゾビ男の顔が見えるのだがどんな腐った顔なのかドキドキしてゾビ男の顔を凝視していると、耳が尖ってイケメンのエルフの顔がそこにはあった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る