第17話

 俺は、どうしてウリさんとイーナがここにいるかをエナさんに聞いた。


どうやら来たのは俺が起きる数十分前


***


「やあ、お邪魔するね」

「うあ!!」


エナさんは驚き、椅子から転げ落ち頭をぶつけた。


「イタタタ...もう、来るなら連絡してよ」

「どうせ、魔術の研究だけでいつも家にいるんだからいいじゃない」

「そうだけど...」


エナさんは、頭をさすりながら立ち上がり倒れた椅子を直し座った。


「あれ、めずらしいじゃん。イーナちゃんが来るんなんて」

「それが、ルッチちゃんに会いたいって言うから連れて来たの」

「へえ~おはよ~イーナちゃん」

「おはようございます。それより、ルッチはどこに?」

「もうすぐ起きると思うけど...起こす?」

「大丈夫です。朝ご飯はまだですよね。私が作ってもいいですか?」

「いいよ~じゃあ、これね」


エナさんは、イーナにも私服では気分もでないかもと思い、魔法でイーナの服をメイド服に変えた。

イーナは、メイド服のままにキッチンの方に向かった。この城のどこにキッチンがあるのか知っているので、キッチンまで行きシチューを作っていた。


どうやら、俺に影響を与えたのか最近自分でご飯を作るようになったらしい。


だけど、まだまだ初心者。

味付けが辛かったり、甘かったり野菜をうまく切れなかったりっと料理を失敗しているらしい。

どうやら、イーナが作った料理を俺に食べて欲しかったらしい。


まあ、結果的には一緒に作ることになったのだが...


****


と言う感じで、シチューを食べている今に当たる。


「それよりエナ...前に来た時より綺麗になったじゃない。前は足の踏み場もなかったのに」

「それはね、ルッチちゃんがこの部屋を綺麗にしてくれたの。それに、書庫だってホコリが被っていたり汚かったけど掃除してくれたの」

「エナは、自分の部屋をいじられるの嫌じゃなかったのか?」

「嫌だったけど、べつにルッチちゃんは別」

「へえ~」


何故か納得したような、目でエナさんではなく俺の方を見てきた。


「イーナはどうして、俺に会いに来たの?」

「ん?それはね、学園に一緒に行こうと思ってね」

「え」


どうやら、俺と一緒に学園に通いたいらしい。


「だけど、ここからだと俺とは一緒に通う事は...」

「できるよ」


突如、ウリさんが話に割り込んできた。


「何故、私がここに扉を繋げたと思う?」


質問に答えろと言う意味なのだろうか?俺に指を刺さしてきた。


「遊ぶため?」


すっと、頭に浮かんだことを言ってみた。

すると、首を振られ違うと言われた。


「違う。この部屋は私の部屋と繋がっている。厳密に言えばイーナの部屋に繋がっている。だから、一緒に登校することが出来る。」

「もお、だからって勝手に繋げないでよ」


すこし、不満げにエナさんがウリさんに文句を言った。


「だけど、エナもどこかの扉につなげてルッチちゃんを学園に通わそうとしていたんでしょ?」

「そ、そうだけど」

「なら、いいじゃない。」

「ま、まあね。ウリの家からだと学園から近いしいいかもしれないわね」


エナさんは折れ、イーナの部屋とエナさんの部屋をつなげたことを認めた。

それならば、俺の部屋の扉につなげたら良いじゃないかっと疑問に思ったのだが、どうやらエナさんの部屋しかつなげることが出来ないそうだ。


「どうして、俺の部屋と繋げないんですか?」


何故つなげることが出来ないのか、ウリさんに聞いてみると、少しエナさんを不満そうに見て話してくれた。


「エナはね、ここしか扉としかつなげないように結界を張ったのよ。私も、つなげれるならルッチちゃんの部屋につなげたかったけども、渋々ここにつなげたの」


「仕方ないじゃん。私は狙われているんだから。」


「まあね」


俺達は、シチューを食べ終わり談笑に入り、昼前になるとウリさんたちは指を鳴らし扉を開け自分の家に帰っていた。



「じゃあね~ルッチ」

「バイバイ」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る