第20話

索敵をオンにしながら、いつも通り森で狩りをしていると、魔物とは違う生命反応がダンジョン付近にあった。

急いでそっちに向かうと、人が3人くらいと大型の魔物が立っていた。その後ろにはボロボロになった荷馬車があった。

パット見ただけでもそいつらが盗賊の類いであることは理解できる。


少し眺めていると魔物の方が先に動き出した。ギリギリ視認できたが、対応が遅れた盗賊1人が、後ろには吹き飛ばされる。


残り2人は戦闘態勢になり大きな鉈のようなもので攻撃しているがダメージは入らず、1人目と同じように吹き飛ばされていた。多分だが、3人とも死んでいる。

人が死んだというのに、変に冷静さを保っている。死んだのが盗賊だからなのか、レベルアップの影響で精神力が強くなっているのか分からないが、今の状況ではありがたい。



【種族名】トロルジェネラル

【レベル】192



鑑定をして絶句する。これは勝てない。そう頭では理解しているが、体が勝手に戦闘態勢に入る。俺はいつから戦闘狂になったのだろう。


靴の力で空中を駆け上がり、相手の頭上からロングソードを振りかぶる。

その瞬間、パリンッとまるでガラスを叩きつけたように割れた。

防御の姿勢を取っていたわけでもない。

これはマジでヤバイかも。


相手はこちらに振り向き、攻撃をしてきたがギリギリで回避しつつ、距離をとる。


取り敢えず魔銃を取り出し、撃つが攻撃は入らない。どうにか避けながら攻撃をしていると、

たまたま、相手の眼球に直撃した。



「グルアアァァァァッッ!!」



ぶちギレていらっしゃる。体が出している警鐘を無視して、対峙してみたが……。


――体に激痛が走る。何が起きたのか分からない。

とりあえずポーションを取り出し急いで、飲む。体を起こすと体が肥大し、でかいこん棒を持ちこちらを見ている。


突然吹き飛ばされたと思ったが、俺に見えない速さで、動き攻撃してきたのだろう。これは勝てないそう悟り、使わないようにしていたスキルを解放する。



断罪ジャッジメント……」



効果や威力はわからない状態で使ったが、スキルを発動した瞬間、裁きの雷とは違い空に浮かぶ雲がはけていき青天になる。

そこから、1つの鉄の処女アイアンメイデンが降りてくる。

魔物を見ると、それに攻撃しようとしているが空間の壁?のようなものがあり攻撃は届かない。徐々に近付いていき、魔物がちょうど中に入る位置まできた。

魔物は危機を感じ、逃げようとするが動くことは許されない。


その瞬間――



――鉄の少女アイアンメイデンは閉じ、顔の部分は不適に笑っていた。魔物は内部でグサッグサッと針が体に刺さっているような、音を立てている。


静寂が訪れ、その場に残っているのは俺と、魔物の魔石、魔物が流した血のみだった……。









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