第9話

朝が来た……。

今日やることは、スキルの確認だな。

とりあえずあの時の蛇をみつけしだい、スキルを使ってみるか。

とりあえずなにがあっても良いように筋力上昇をかけておく。かけた瞬間、からだが軽くなった感じがする。とりあえず探しますか。



少しダンジョンから離れ、森の深いところまで来てみた。やっぱ、奥にいくにつれて魔物の強さが上がっていってるっぽい。攻撃手段は魔銃だが、込める【MP】が10だと一撃で倒せないものが多かった。

出てきた魔物は、鑑定でみた限り、木人ウッドマン角兎ホーンラビット、イナゴだった。木人とイナゴは防御力が高く、一撃で倒せなかったのだが、ウサギに関しては、角で銃弾の軌道をそらしてきた。おそらく、相手の防御力をこちらの攻撃力が上回っていても戦い方によっては倒せないことがあるっぽい。


ステータスが上がってもスキルを手に入れても、自分自身がそれを使いこなせないと、相手に勝てない部分が多くなるかも知れないため、自分の身だけで戦うこと必要になってくるかもな。


そんなところで、



「グルゥゥウァァアアッッッッッ!!」



あの鳴き声が聞こえた。近くにいるっぽいな、と周りを見渡すと蛇が、同じくらいの大きさの蜂?みたいなものと、闘っていた。



【種族名】女王蜂クイーンビー

【レベル】71



またしても名前とレベルのみだった。たぶんだがあの蛇と同格かそれ以上だろう。

だが、不思議と負ける感じがしない。しかし、正面から戦うのは愚策だろう。

狙うは漁夫の利、どちらかが倒れた瞬間に、攻撃を仕掛けよう。


「今だっっ!」


蛇が倒れた瞬間に蜂に銃弾をぶちこむ。【MP】は35だが、蜂から放たれた毒液?によって、魔力の塊が溶かされてしまった。


自分の位置はばれたため、蜂と対峙する。相手は先程まで、あの蛇と闘っていたのに、消耗している感じがしない。



先に動いたのはこちらだ。もう一発銃弾を撃ち、相手がそちらに気を取られた瞬間に横に回り込み、


「ファイヤボール!」



叫んでみたが、なにも出てこなかった。これは予想外だった。何で、なにもでないんだろうか?と思っている暇もなく銃弾に対応してきた



蜂はこちらに向かって、銃弾を溶かした液体を放ってきた。

魔法が出なかったことに驚いていたため、避けきれず左腕が飛んでいった。

叫びたくなるほどの激痛が走るが、その気持ちをおさえ、どうにか冷静さを取り戻す。

アイテムボックスから、ポーションをとりだし、飲むと溶けて無くなった左腕がみるみるうちに生えてくる。痛みも次第に引いていく。

ずっとこうしてもいられない、剣を使って戦ってみたいが、悠長なことは言っていられない。

下手したら普通にしぬかもしれない。


と、目の前の敵に目を向ける。相手はこちらの動きを観察している。もう一度、銃弾を放つ。例に漏れず、銃弾は溶かされるが、毒液を放つ時に生じる隙を見極め……、



「裁きの雷っっっっ!!!」



そういい放った瞬間、ドス黒い雲が一転に集まり一本の雷が放たれた。

それは、雷というには細く直線的で、美しい。しかし、それが蜂に当たり地に流れた瞬間、蜂は蒸発し、地面は割れ、空気が震えた。





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