美少女怪盗フィリア

@nishiyoshi

第1話 美少女怪盗フィリア参上(1)

 ある日の夜。東京の上空、1万メートルに国籍不明の大型ジェット機が飛んでいた。

 2機の航空自衛隊の戦闘機が、ジェット機を追跡していた。

「ロックオン、ファイアー!」

 1機の戦闘機から、ミサイルが2発発射され、ジェット機は撃墜された。

 その頃、地上ではある警察の追跡から逃げていた──



 金髪のポニーテールの髪を靡かせ、黒い洋服に身に纏った女子高生程の少女が鉄塔の頂点に立っている。

 下では警官隊が押し寄せていた。

「フィリア! 逮捕だ!」

 メガホンを通してそう叫ぶのは、怪盗フィリア専任捜査官の古畑浩一郎である。

「うふふふ── 月の涙、確かに頂いたわ」

 彼女はそう言うと、古畑は言う。

「馬鹿め、そこは袋のネズミだぞ」

 すると彼女は余裕たっぷりな表情で笑った。

「私には絶好の場所なんだけどな──」

 彼女はそう言うと、古畑はコートのポケットからリモコンを出し、ボタン押した。

 すると鉄塔に設置された爆弾が爆発し、鉄塔はポキッと折れた。

「嘘でしょ!?」

 彼女はそう困惑した。

「言っただろ? 袋の鼠だと」

 古畑は笑いながらメガホンを通してそう言った。

「よくもやってくれたわね! 覚えてなさいよ、おじさまァア!」

 そう彼女は言いながら近くの池に落ちた。


「ぶはぁ──」

 フィリは池から顔を出した。

「この池に落ちたぞ! 急げ!」

「うわっ!?」

 警官の声が聞こえて、フィリアは池から上がって逃げる。

「やっと巻けたわ──」

 彼女がそう独り言を言いながら住宅街を歩いていると、空に白く輝く物を見つけた。

 それは星ではなかった。なぜなら、地上に向かってゆっくり落ちているからである。

「あれは──」

 彼女は、輝きが着地地点を予測しそこに向かった。

「あ、ここね──」

 そこに向かった頃には、地上数メートルに迫っていた。

 両手を組んだ小学校低学年程の白い髪の女の子が、フィリアの元にゆっくりと落ちてくる。組んだ両手からは、白い光が指と指の間から漏れ出ていた。

 フィリアは抱えようと、両腕を前に出す。女の子はフィリアの両腕にゆっくり落ちてきた。両腕に落ちてきたと同時に、白い光は消え、組んでいた両手が離れる。

 その時に、組んでいた両手の中からダイヤモンド型の透明な水晶が落ちた。

 フィリアは、それを拾い上げて。

「水晶── ?」

 フィリアは女の子を見た。すると、彼女は所々に黒いあざや腫れている部分が女の子の体にあることに気づいた。

「この子── どうしたのかしら──」

 とりあえず彼女は、女の子を家に連れ帰る事にした。



─次回予告─

 やぁ、みんな!私こと、美少女怪盗フィリアよ。

 空から落ちてきた子は、実は男の子だったの。そしてこの子が持つ謎の水晶が、ある超有名アニメ映画に出てくる大佐に激似のスパイに取られちゃったの!

 そのスパイ、その子を拳銃で撃って逃げちゃった。おかげで、その子は病院送り。

 そして女の子からの情報で、ある大国が世界征服を企んでいる事が判明──

次回「美少女怪盗フィリア参上(2)」


 次はあなたの笑顔を取り戻してあげる!

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