第6話いざ決行

美弥は歌保に、言われた通りに言った。

すると


「あんたは、愛奈と違って可愛いね

行くよ」


「その日、四人でカフェでも行く?可愛い

後輩ちゃん」


「そんなの作ってくれたんだ、あんたは

可愛いくて良かったよ、行くからね」


と、次々と先輩達はokした。

ただ美弥は、電話が終わると怒りで、その場で、もどしていた。

その夜、歌保は充に


「明日の夜、出掛けるから」


「明日、やるのか?」


「うん!」


「そうか、でも相手は三人だから、気を付けろよ!」


「うん!」


歌保は、マンションの下見もしていた。

古いマンションで、防犯カメラの無い

マンションを選んだ。

そして、マンション迄の道も、全部チェック

していた。

翌日、夜出掛ける歌保に充は


「愛奈に一緒に、線香をあげて、お願い

しよう!」


「そうね」


二人で手を合わせる。


「じゃあ、充さん行って来るね」


「歌保、帰りを待ってるからな!」


「うん」


目深に帽子を被って、上下黒の服で

マンションに向かう歌保。

早めに着いて、マンションを見ると

矢田美咲が来ていた。

そして、次に木村真保が来た。


「後は涼子だね?」


「でも及川って、私達の事を相当ビビってん

じゃん」


「本当だね」


笑う二人。

そこに、悪の根元、黒田涼子がやって来た。

そして又、三人で


「私達って、やっぱりナイスな先輩だから

降参したんじゃ無い?」


「言えてる~」


「誓約書を貰えば、こっちのもんよ」


ふざけた事ばかり、言っている。

歌保は、マンションの住人の振りをして

近付いて行く。

三人は道を空ける事すらしない。


(まぁ~常識も何も、有ったもんじゃ無い

だから人を殺しても、平気なんだ!)


歌保の怒りは、益々込み上げて来る。

そして歌保は、道を訪ねる振りをした。


「あの~ちょっと、お尋ねしたいんですけど」


と、話掛けて地図を見せる。


「最近、引っ越しして来て、この辺分からなくて、ここに行きたいんですけど」


「暗くて見えないよ!おばさん」


「そう言わずに、困ってるんです、教えて

くれたら、私は占い師だから無料で見ます

けど」


「へぇ~見て欲しいね」


「ここって、直ぐそこだよ!」


「あっ!本当だ!」


三人は口頭で、道を案内した。


「助かりました、じゃあ、お礼に占うので

両手を皆さん、出してください」


三人は、占いと聞いてワクワクしながら

両手を歌保に、差し出す。

歌保は、その手に凄い早さで、手錠を

掛ける。


「えっ!」


「何?」


「外せよ!」


歌保は包丁を、取り出した。


「少しでも変な事したり、声を出すと刺すからな!分かったか!」


首肯く三人。

エレベーターで、最上階の8階迄行くと

非常口を出て、階段の踊り場に行く。

そこで歌保は、帽子を取った。

驚く三人。


「ほ~誰か分かるのかよ!」


首肯く三人。


「よくも、家の大切な愛奈を殺してくれたな!」


首を横に振る三人。


「最後に、一言ずつ何か言わせてやるよ

早く言え!小さな声でな!」


すると矢田美咲が


「あれは涼子が、言い出して、私達は着いて

行っただけです」


「そうです!背中を押したのも、涼子だし

私達は、ただ一緒に居ただけなんです」


「何よ!あんた達、それでも友達?」


「ハハハハ、あんた達は上辺だけの付き合いで、こんな事になるなんて、おやじや

じじいが、政治家でも関係無いんだよ!

さぁ、飛べ!」


なかなか動かない三人。

歌保は矢田美咲に、包丁を突きつけた。


「刺されて痛い思いして飛ぶのと、どっちが

いいんだよ!早くしろ!」


飛ぶ前に、手錠を外しておいた。

そして、美咲が泣きながら飛んだ。

次は、木村真保だった。

最後は、黒田涼子。


「おい!お前は、ここに遺書を書け!」


「どうして私が」


「喋るな!黙って、言われた通りに書け!」


《高井愛奈の背中を、押して殺したのは

私、黒田涼子です、ただそこに木村真保と

矢田美咲も一緒に居ました、死んでお詫び

します》


「さぁ、あんたも花びら一枚の価値だな!

今日は三枚散るから、綺麗だろうな!

さぁ、行け!行って愛奈に土下座しろ!

一生!」


そして諦めて、黒田涼子も飛んだ。

歌保はリバーシブルの服を裏返して

エレベーターで降りると、野次馬の振りを

して三人を見届ける。

警察が来る前に、姿を消して家に戻った。

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