第41話

『全知全能の力』だ。

 唯一神は『全知全能の力』によってりゆう大明神の総攻撃を児戯にひとしくすべて『反射』したのだ。攻撃を反射されたりゆう大明神はみずからのはなったによってまた攻撃された。刃状のふうできりきざまれ圧倒的なる洪水のたいふうで窒息しはいきよの大地のげきとうで傷付きなる霊気でがんがらめにされえんいつたる火炎を肉体にまとわりつかされはいきよの大地から生長した樹木で肉体をしめつけられ巨万の銃弾と白銀のレーザーでひやくがいきゆうきようを貫かれかいわいの原子群の核分裂によりまんこうばくしてしまったのである。負けた。負けたのか。『日本は負けた』のか。全日本人はもんぜつびやくした。負けない。負けてたまるか。『日本が負けてたまるか』と。全日本人の『ねがい』をかなえるかたちで断末魔のりゆう大明神は墜落した大地から九個のとうをもたげて複雑怪奇にねじれあって唯一神ヤハウェの肉体に喰らいついた。神と神との戦いにあって流さすがの唯一神も油断していたらしく唯一神はひやくがいきゆうきようの八箇所と首もとを巨大なる牙でつらぬかれた。形勢逆転されたヤハウェは『ヒルベルト空間に偏在したる聖霊よ邪りゆうをきりきざめ』とほうこうし全知全能のによって『神の複数形』たる分身『聖霊エロヒム』をあらわしめた。ひつきよう『唯一神ヤハウェと同等でのすがたと力をもった巨万の聖霊がきゆう窿りゆうからしようしてきてりゆう大明神に猛襲』してきたのである。一柱の大明神とたいする百万の全知全能の神である。流さすがりゆう大明神のもここまでかとおもわれた。実際に聖霊エロヒムは唯一神にてんじようしているりゆう大明神のとうをひとつずつわしづかみにしてひとつずつひねりあげてせつだんしていった。りゆう大明神はこつぱいにされ九個の巨大なるとうはいきよてんし傷口からはりゆうりゆうたる筋肉と鮮血が露呈されていた。りゆう大明神は死んだ。全日本人は死んだ。『はず』だった。総攻撃によりりゆう大明神をせんめつしたとおくそくした聖霊エロヒムが至高天へと帰還せんとしたである。全日本人のこんぱく接続によってはいきよにころがっていた八個のとうしゆんどうし一瞬のうちに疾風迅雷の勢力でしようしまわり百億のかみがみの脊椎をみくだいたのである。全知全能の力でさえ予測できなかった事態に刹那の『隙』をみせた唯一神ヤハウェの脊椎にりゆう大明神の最後の黄金色のとうが喰らいついた。といえども大明神はろうこんぱいしており一撃で逆転勝利することはできなかった。そこで激怒した唯一神ヤハウェはついに『最終手段』にでた。『ななつの瞳の子羊よ封印を解くがよい。朕の名前のもとにいま『最後の審判』をくださむ』と。

 ようにして『最後の審判』がはじまった。

 唯一神は『全人類』を裁かんとした。

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