第32話

  ◇


 りゆう大明神はしようしたまう。

 スサノオたち『親衛隊』四柱にぼうぎよされながらこうしようしたまう。

 神聖ぼうとくすべからざる御名どおりに九個のとうをもちたもう大明神は九個のりようをふりみだし一本の尻尾を推進力としていんもうの空気力学もひんせきし縦横に白銀のきゆう窿りゆうゆうえいしてゆきたもう。とうとうと波打っているほうはくたる太平洋をアマテラスオオミカミひつきよう太陽ののぼりたもう方角へと東進しぼうばくたるアリューシャン列島の南部方面ひつきようグリニッジ時刻における日付変更線かいわいばくしんしていた大明神を操縦している全日本人が『なにか』に気付いて九個のとうを複雑怪奇にくねらせりゆう大明神をちゆうさせた。あいまいとしながらも場所はハワイ諸島北部にあたるとおもわれた。そこでハワイ諸島側のてんがいより黄金色とすい色と瑠璃色と純白の光が猛烈なる速度で肉薄してきたのだ。天使だ。いな。あのまとったふうぼうてん使だ。ひつきようハワイにて駐留していた『天使たち』がじゆんこうかいぼうぎよのためにしようしてきたのである。そう。あの天使たち――四大天使たるミカエル・ラファエル・ウリエル・ガブリエルたち――であった。

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