第6話

 金城大尉は目覚めた。

 スサノオノミコトの『精神世界』で覚醒した。

 ほうはくたる三百六十度のきゆう窿りゆうと大地に球体状にじようされたスサノオノミコトの精神世界にてばんこくの文字列に分裂した金城大尉の肉体はふたたび粒子化され『ハラキリ』の姿勢のまま半眼をひらいた。いんぎんなる金城大尉は現在の護国神社上空から新潟市のぜんぴようかんする。神州国民のみなさん。おれが絶対にまもってみせます。精神統一のためにひやくがいきゆうきようを緊張させた金城大尉はそうぼうのみならず『全身全霊』をもってミコトの肉体を量子力学的に『観測』し波動関数をしゆうれんさせミコトを操縦した。スサノオノミコトはきゆう窿りゆうへとこうしようしてゆく。さんらんたる陽光のめくるめく中天にてミカエルおよびのアークエンジェルたちに異変がおこった。こうまいなるキュウビのキツネたちをおうさつした天使たちはミカエルを中枢に『十字架』のかたちにれつしてゆく。ミカエルをさんてんとした四柱の天使たちのはざせいぼくなる虹色をした巨大なる『十字架』が現前する。さんがんたる『十字架』ははじめ巨億の雷電をほとばしらせる虹色のらいていのすがたをしておりやがて虚空にゆうえいする巨大なる二重せんのかたちに変貌してゆく。十字に交錯するいんの二重せんしようしゆしたところにおそらくはつぎなる『使徒』が受肉され『天罰』がくだされるのであろう。大日本神國科學軍第一大隊のけんさんによると天使たちはよろずかみがみや天使や悪魔の根源をなすものとおなじくてんじようきゆうの泡宇宙内の八割以上を支配するといわれる『神性エネルギー』をはんぶんじよくれいの量子力学的に粒子化し波動かららいていらいていから使徒の肉体へと相転移させて降臨させたうえでメタ的領域から相対性理論的な計算をするかたちで『神性素粒子』を爆発させているらしいとのことであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る