第2話

  ◇


 爆撃天使ミカエルは断末魔でほうこうする。

『天罰』予定日の新潟県新潟市上空にてである。

 一九四五年八月十二日。いくばくかの爆撃天使による攻撃で破壊された新潟市内のけんこくげきはちがいではの国民たちがほうはくたる空中における宿敵教国の熾天使ミカエルと大日本神國のキュウビのキツネ部隊との死闘を仰視していた。『撃墜王』たる金城大尉は巨大なるキュウビのキツネを操縦し爆撃天使ミカエルに喰らいついている。この神國の国民たちのためにも宿敵ミカエルにとどめをささねばならない。あのトヨヒコ・カガワにふくしゆうせねばならない。白銀の毛並みに九つの尻尾をもつ五柱のキュウビのキツネ部隊はしようけいなるりよりよくによっててんじようきゆうそうきゆうこうしようし爆撃天使ミカエルの右肩・左腕上部・右腕下部・右脇腹・左脚に喰らいついていたのだ。部隊長たる金城大尉およびの神軍兵士はうつそうたるむらくさはつらつたるきんじゆうにやどりたまうよろずかみがみを『こんぱく接続』によって操縦し爆撃天使ミカエルととうじようしていた。がを誇示するミカエルの霊威のもとで一柱一柱とへいしてゆき現在六名でミカエルとたいしている。はくいろに明滅する癖毛のミカエルははちめんれいろうたる黄金のよろいで筋骨りゆうりゆうたる肉体をぼうぎよし六枚のすい色のつばさをもってしようして左手に白銀のてんびんを右手に白銀のやりを掌握し大日本神國軍と激闘している。左手の白銀のてんびんを優雅に中天にかざすとてんびんが『生きとし生けるもの』の善悪をしゆんべつし神が『悪』としたものどもをしようしてゆく。を誇示するてんびんでもちゆうりくできないものたちは右手の白銀のやりこつぱいにしてゆく。

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