第14話 願うばかりの
「いやっほーう☆ ナイアルラちゃんだよ!」
うわテンション高。
一目で関わりたくないと気づいたよ。
「ちょっとー、ノリ悪いぞ~矮小なる人間~☆」
うわぁ……。
「今日はね、今日はね☆ 欲しかったものが手に入ったから見せてあげるね☆」
ああ……。
だからテンション高かったのか。
「これ☆ 【願うばかりの】!」
それは……なんだ?
青い球体のようななにか。
水面のように光が波打ち、溢れんばかりに輝いている。
「これはねー、願いが叶うんだよ☆」
願いが叶う。
まあ創作物にありがちな代物だ。
実物を念話越しに見ることになるとは。
……そして創作物にありがちということは、つまり。
アンチパターンもやり尽くされていると言うことだ。
これは……そうだ。
きっと願いを歪めて叶える、とかそういうやつだろ。
「……? 違うよー☆」
なん……だと……。
「これはねー、願ったら願っただけ叶うんだよ☆」
やばい。
超すごい方だった。
「これがねー、いっぱいある世界があるんだよー☆」
いっぱいある。
こんなものが。
「まー、その世界は滅んじゃったんだけどね☆ だから手に入れるのにちょっと手間取っちゃった☆」
そんなすごいものがたくさんある世界がなんで滅びるんだよ。
「人間は愚か……☆」
知ってる。
だいたいわかったぞ。
何もかも満たされたせいで、生きる意味がなくなってしまったか。
際限のない欲望で暴走して凄惨な殺し合いになったか。
どっちかだな。
「んふふふふ☆ だれでも願いが叶えられるってことは、誰でも世界を終わらせられるってことだよ☆」
ああ……。
終わることを、願ったやつがいたのか。
「そゆことー☆ これ一個あたりの最大出力には流石に限界があるから一人だけ願っても他の人の願いで潰されるんだけどー☆」
わかるぞ。
願うことで「世界が終わるような願い」を世界中の人間に植え付けたんだな。
「せいかーい☆ で、これ欲しい?」
いらん。
お前は何に使うんだよ。
「電池ー☆」
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