第3話

「すえのぼう! すえのぼうや!!」


「なあに、お母さん」


「ハチミツを取ってきておくれ」


「うん、どこから?」


「ミツバチたちから、もらってきてちょうだい」


「えーっ! いやだよ! ハチはボクを刺すんだもの!!」


「なにいってんだい!! おまえが黙って取ろうとするからだろう?」


「だって……」


「きょうだいのなかで一番大きな体をしているくせに、もう……」


「大きくなりたくてなったわけじゃないもん!」


「もじもじしてないで、おつかいくらい行ってきてちょうだい」


「うぅ……」


「お願いして、ありがとうといえば、ハチたちもあんたを刺しはしないよ」


「そう、なの? ……」


「ほらほら、涙なんか止めて! さあ、いっといで!!」


「はあぁい……」

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