魚種のサラダボウルとメインディッシュの金魚、その出逢いと別れ
@1721-1927
第1話 前菜
私が小学生の頃、家に水槽があった。
それはおそらくだが、金魚すくいが好きな私が持ち帰った金魚を飼育するためのものであったのではないかと推察している。
しかしながら、あの水槽には私が祖父母宅のお祭りで掬い上げた金魚たちのほかにペットショップで購入したメダカ、父と近所の川で釣った魚、水槽の掃除担当としてペットショップで買ったエビ、タニシとあの水槽はなかなかに賑やかだった。
そんなこんなで人種ならぬ魚種のサラダボウル状態だった我が家の水槽だが……魚のサラダというとなんだかあり得そうだが全員観賞魚とそこら辺の川にいる魚、タニシ、エビなので食べてもきっと美味しくはない。ドブ味だ。しかしどうだろう、タニシはエスカルゴになりうるか?エビはまあ、かき揚げにでもすればマシかもしれない。
話がだいぶ逸れてしまった、閑話休題。
さて、魚種のサラダボウルという言い回しがなかなかどうして気に入った私はその中身である彼らの思い出を肴に一杯やることにした。魚だけに。サラダボウルのうち誰の話からしよう。題の通り金魚はメインのためラストにとっておくとする。そうなると一番最初は彼にしようか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます