13枚目 春、香る

 青空を彩る、桃色の花。それが見られる春は、「温和」と「静謐せいひつ」に包まれています。気持ちが高鳴るのに、それを抑える何かがある。胸躍る光景があるのに、それを宥める何かがある。


 河川敷に並ぶ木々は、そんな空気を与えてくれます。それに何故か、寂しさを感じる時もありますが。ふわりと靡いた桜木は、見る者の感情を揺さぶってくる。今回撮った写真もまた、そんな情緒が感じられる一枚でした(写真は、下のURLからも見られます)。

 

 https://kakuyomu.jp/users/azybcxdvewg/news/16817330655280376873


 やっと訪れた休日、空も澄みきった晴天。左手にSEIKOの腕時計を、右肩にカメラバックを下げて、午前の町を歩いていきます。町の中には、様々な建物が見られる。風情あふれる商店街や、美味しい団子がある甘味屋など。町の中を見わたせば、その情景が目に入ってくる。


 それらには、今風のチェーン店もありますが。地元にあるけど、まだ入った事のない店。入った事はあっても、あまり入った事はない店。カメラを持った休日は、そう言う物を再確認する、とても有意義な時間です。「歩いて進む」と言うのは、心身ともに良いですし。部屋の中で細工品と向き合うのも良いですが、こう言う外に出る機会もまた、「素晴らしい」と思います。


 そんな事を考えつつも、目の前の景色は流れていく。商店街の建物が見えなくなって、多くの車が通る県道や市道、ビニールハウスの建てられた畑を越えていく。そして、撮影場所である河川敷に就く。

 

 河川敷には、様々な人が見られました。僕と同じような人、自分の胸な脇にカメラを下げた人。ロードバイクを走らせる人。ランニングに勤しむ人。そう言う人達が、たくさん見られました。実に穏やかな光景です。被写体に当たる日光も、いつもより光っていました。


 だから、この被写体を見つけた時。思わず「おおっ」と思ってしまった。春色の花を咲かせる木、それが地面に伸びる光景。光の当たり具合も相まって、EOS 90Dを思わず構えてしまいました。そして、カメラのシャッターを押した。


 その構図は、縦構図。横構図にすると、余計な物が入ってしまうため、ここは縦構図にしました。縦構図は、横側の景色が削れます。カメラの構えが少し難しくなりますが、被写体の引き算ができやすくなり、またスマホなどの画面にも使いやすくなります。そこが、とても魅力的。


 カメラのF値も、被写体がはっきりと写りやすいF11にしました(カメラの種類や、センサーの種類にもよりますが。F8~F13辺りのF値にすると、写真のボケが消えて、写真が一番綺麗に写ります)。そうして、この写真を撮った。


 この写真は、かなり気に入っています。こう言う写真がもっと撮れるように頑張りたいと思います。今回も最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。

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