遺書の束

L.L.Snow

手向けの言葉

 死は平等に訪れる。どの様な人生であろうとも、どれほどの人物であろうとも、死だけは全くの同じである。しかし、だからこそ、生きる人間は自らの死を意識しない、してはならない。それは倫理や道徳または宗教と名付けられ正当化されている。故に、死を語る事は禁忌とされる。視てはならない、識ってはならない、許されざる行い。


 人間は、自らの死を死ぬ前に語る事が出来る。ならば、語る事に罪は無い。最期の言葉は全てが正しい。

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