第2話

まだ日の登ってない時間。

俺は生きていた時の癖で起きてしまう。


だからと言ってやることも無いから、着替えて、本でも読んでいよう。


俺が読んでいるのは、『魔法と、剣術』と言った魔法と剣術などの戦闘術の本。

もとい、教科書だ。

と、そこに

コンコン。

とドアの叩く音がした。


「入れ」


「フレム様。コーヒーを入れて来ました」


「ありがとう」


彼女の名前はティル・ロイヤル。


彼女は王族だったのだが、産まれた時何の属性を持っていなかったから親に捨てられ俺の親に拾われた。


俺より、四歳歳下だ。彼女は10歳になった途端、光属性を使えるようになった。


ちなみに初めて光属性を使ったのは、俺が 14歳の時に、魔物からティルを助けた時、怪我して周りに誰もいないから、頑張って使ったらしい。


よく出来たなと思った。何処からかそれを聞き付けた、親が返して貰えないかとお願いされたもちのろんで断った。


何故なら、ティルとはもう、家族みたいなものだ。


それを手放すとなると、悲しい。

それに、光魔法を使ったと聞いて手のひら返ししてくる親なんて最悪だと思ったからだ

だから、手放したくないと思ったので


「ティルはもう、家族の一員なので」


と言って追い払った。

一応言っとくが、相手は王族だ。結構偉い方だが、それを言ったら、名残り惜しそうに帰って行った。

そんな過去のことを思い出していると、


「フレム様。今日の、ご予定は?」

と聞いてきた。


「家から一歩も出たくない」


「冒険ギルドですね。わかりました。用意してきます」


「話聞いてた!?」


「えぇ。家から一歩も出ない貴族なんて、最悪だって」


「聞いてないよね!」


最近になって来て、ティルは俺に反抗してきた。前はもっと可愛かったのに。


「はぁ…。ティル来て」


「はい」


俺は俺の膝を叩いて、

「座って」と言った。


これは命令ではなく、肯定もしていいのだ。


「はい」


だが、ティルは何も言わず、座る。俺はティルの頭を撫でる。


「最近、忙しい?」


「ううん」


ティルは敬語を止める。これはティルの癖で甘えてる時は敬語を止める。


「忙しかったら言ってね。その時は仕事減らすようするから」


「うん。でも、フレム君も嫌な事とか、辛い時は言って」


「分かった。なら、俺は家から出たくないな」


「それはダメだよ」


ふにゃっと笑って言ってくるから、ついドキッとしてしまう。


ダメだ…。この笑顔を見たら何でも言う事を聞いてしまう…!


ガチャ。

「フレムー。そろそろ朝だから、起き…。あっ…」


部屋のドアを開けたのは母親だった。

急だが、俺の年齢は18で、

地球では、大人の年齢。

ティルは、14と、思春期の歳。


それらがラッコ座りしてたら、

大抵の人はえっ?と思うだろう。

それは母親も例外ではない。


「シツレイシマシタ」


「待ってくれ!誤解だ!」


「そうです!決してそう言う関係では!」


この誤解は、二時間は解けなかった。

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