第23話

調子の乗ったミハルはそのままの勢いでデコレーションに入った。



定番のイチゴを初めとして、ラスベリーやブルベリーを飾っていく。



適当に置いていくだけじゃなくて、ちゃんとカットしたときの配置だって考えている。



ものの10分ほどですべての作業は終わった。



「ベリーベリーショートケーキの完成よ!」



ミハルの前には、まるで魔法にでもかけられたかのような、美味しそうなケーキができていた。



「さすがミハルさん!」



「美味しそう!」



「素敵ですね!」



3人からの感想にミハルは胸をそらしたのだった。


☆☆☆


夢から覚めたミハルはまたぼーっとした気分だった。



今日のミハルは夢の中で憧れのパティシエになっていた。



しかも弟子を3人も連れて、自分のお店も持っていた。



「素敵」



起きて開口一番そんなことを呟いた。



自分の店を持つなんて考えたこともなかったけれど、パティシエを選べばそういう未来のあり得るんだ。



もちろん、ペットショップだって自分の店として構えることはできる。



だけどミハルの頭にはすでにケーキ屋の『MIHARU』のイメージが出来上がってしまっていた。



『MIHARU』は連日大賑わいて、長蛇の列ができている。



雑誌やテレビでも紹介されて、ミハルは天才パティシエとして有名になるのだ。



「やっぱり夢を叶えるならパティシエだよね」



ミハルはそう呟いたのだった。

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