第25話

 牢屋じゃん!

 風邪が治って治りかけて出てみれば、そこは牢屋で、どうして?これじゃあ、罪人?と、?うん?うん?

 背後の部屋が消えていない。

 カーディガンを着てうっかり外に出た自分が悪い。今度はうんと奧にしまうんだ、と思っていたのに。部屋が消えていない。

 これは、

 温情?

 風邪を引いた私への?

 そこへ


おい、きさま、どうやってこの脱獄囚の部屋へ入った?!

 

 看守!!

 おまわりさんか!

 部屋はまだ消えていない。

 ドアを閉じて鍵をかける。

 うん?脱獄囚の部屋?


なんだこのドアは、開かない!

蹴破ろう、

バカ、足がいっちまう


 夢が外で続いてる!

 今回は、なんか無理だよ。無理があるよ。

 と、そこで誰かが変な事を言う。


くそ、どうしてこの部屋のやつだけ、


みんな逃げるんだ!!!


 合鍵でもあるんじゃないんですか。鍵屋とグルですよ。なんだったら看守の中にも通じている人がいるんじゃないですか。


なんだと!!


 聞こえよがしにぜんぶ言ってやった。

 本当は言うつもりなかったけど。

 面会とかどうしてるんです。鍵は腰にぶら下げて見え見えなんじゃないですか。詳しい人ならちょうど良くそっくりなの作れたりするじゃないですか。

 おまけに鉄格子。

 塩分の含まれたスープで鉄を錆させて一本取れるようにすればかなり間が開きますよね。何階か知りませんが、鍵を投げ込んだり、服の糸を解いて鍵にくくりつけて吊り上げたり。とにかく、いろいろ脱獄方法はあるわけで。


 外が静かだった。

 アパートの窓から外を見る?普通だ。

 カーディガンも脱ぐ。

 まだ本調子じゃない。


 怖くてしばらく外にでられない。

 けれど。

 ドアスコープ!

 覗いてみた。外はふつうだ。


 警察や吊るす、脱獄囚、魔術、洗濯。「外」も大変だ。

 今の時代、鍵の写真だけで合鍵が作れる。怖い、けど便利だ。気をつけないと。昔はホームセンターにも鍵屋や表札を作るコーナー、ハンコ屋さんもあった気がする。

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