第27話 そして悲劇は終わる
弱点を見つけるとは言ったものの、ただ体力を消耗し続ける俺たち。相変わらず攻撃は一体ずつ、それも不定期に入れ替わる。
「拉致があかねぇ……ちょっと危ねぇけどやるしかねぇか。」
「わかった。」
2人で今動いていない方の四本腕の前と後ろに移動し、動いている方を牽制する。もうそろそろ……
「きたっ!」
そして俺たちが挟んでいる方が動き始める直前。2人で俺はみぞおち、“俺”は背中に全力の風弾を打ち込む。こうすれば吹っ飛ぶこともなく削れるはず……
そして四本腕は砕けた。呆気なさすぎないか?呆気なく終わるのかよ…命かけて戦ってたのに…ん?
「機械……?これも?」
砕けた四本腕の中身は完全に機械だった。こんなにバイオな見た目してるのに納得いかないがそんなことを言ってる場合ではない。機械だったとすれば一体ずつだったのはエネルギーに制限があった、と仮説が立てられる。
呆気なく終わってしまったが戦闘能力は高い。エネルギーも膨大だろう。
もう一体も同じように爆散させ、俺たちは一体目のバイオ野郎と戦った場所へと戻る。
すぐ戦闘になることを覚悟していた俺たちは摩訶不思議な光景を目の当たりにする。
「誰が……?」
あれだけ苦労したバイオ野郎は原型を留めていないほどぐちゃぐちゃに。糞研究者は首だけに。意味がわからない……どういうことだ?
「とりあえず……皆の所に戻ろう。”俺”も、お疲れ。俺ん中戻ってくれ。」
「ん、りょーかい。」
研究所の入口まで、俺が一度出た時と変わった事はなかった。相変わらずクローンの死体まみれで、床が血で滑る。まぁ何も起こることなく外へと出ることが出来た。
「全部終わらせてきました。詳しい話はここじゃできないと思うので、移動しましょう。」
「車両の用意は出来ているが……君、相当な罪に問われるぞ?」
「そんなのとっくに覚悟してますよ。あ、あと一つだけ。」
そう言って俺は研究所に向き直る。
「消えろ。」
俺が手をかざして一言唱えた直後、研究所が爆散した。こんな研究所もう見たくもない。ついでに糞研究者殺したヤツが中にいてくれればありがたいんだが。
「証拠隠滅……更に罪増えましたね。自分で増やしましたけど。」
「と…とにかく、皆移動だ。お前ら!子ども達を連れてけ!」
***
なんだかんだ悲劇とは呼ばれているが、実際起きたのはこんな感じ。この後は全員事情聴取、と警察はしたかったそうだが、元はと言えば俺が原因。俺の説明と実際に能力を見せる事で満足してもらった。
皆の親には事情をしっかり説明した上、俺の判断で皆の記憶は消させてもらった。 でも俺のせいで一度は死んでしまったるばあとりめあには謎の記憶が刷り込まれてしまった。いつか説明しないとな。
こんな非現実的な話を大体的にニュースにするわけにもいかず、俺たちは特殊な学校に通うこととなる。そして俺は俺自身の記憶も閉ざした。話すべき時に思い出すように。忘れてはならない悲劇があった、という記憶だけを残して。
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はい、なんか無理やり終わらせました。笑
ちょっと作者インフルかかりまして更新
無かったです。ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...
次の更新からは時間軸が戻ります!
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