第13話

「ユウキ、奥に居た子保護したわよ」

「分かった。…さぁ、後は君達が此方に着いて来てくれれば全て解決する」

ノノの腕の中には陽菜が居た。

陽菜は、何もわかっていない顔をしていた。

「陽菜ちゃん!」

「其の子を離せ!!」

「陽菜ちゃん?!」

「陽菜ちゃん、早く逃げて…!!」

陽菜を逃がそうと呼び掛ける隊員達。

其れはそうだ。

大事な、家族なのだから。

「…でも、良かったのかも」

「瑞樹?」

「まだ、まだ希望はある」

瑞樹の言っている意味が分かったロイは、一瞬顔を輝かせた。

そして、言った。

「…皆、諦めよう」

「え…?」

「ロイ…さん……?」

何で、と抗議をする隊員達。

(ロイだってやだよ!でも…)

ぎゅう、と唇を噛み締めるロイ。

ロイの様子に、隊員達は諦めた。

そして…ヒーローの手によって、保護された。

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