前のエピソード――６月の誕生石　パール、ムーンストーン、アレキサンドライト

勇者はゼロ・ポイントフィールドに発生したバク(現代では魔王と呼ばれる存在)を消し去るために月長石を使用した大技を発動する。

‘Dimensionaler Reaktorüberlastungsbefreiungstechnik!’

黒い「シミ」は完全に漂白されたかに見えた。

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　6月の誕生石、ムーンストーンの輝きが、幸運と恋の予感を運んでくる。

　６月生まれの第三王女シルビアは、家族や使用人に囲まれながらも、孤独な存在だった。全てが美しい家族の中で唯一の不美人として、使用人にまで気を使われ、時には孤独に涙を流す日々を送っていた。

　しかし、運命は突然訪れる。ある日、数千年前の過去から時間を漂流する元勇者が現れ、シルビアを巻き込んでしまったのだ。

　彼は、彼女の孤独の叫びに引き寄せられる形で現時代に一時転落してしまったのだがシルビアは驚きと興奮で胸が高鳴りながらも彼との冒険に身を委ねることを決意した。

　長い時間話をつづけるうちに、なぜか他人とは思えなくなってきたからだ。それにもう直感的に元の世界には戻れないと感じてもいた。

　元勇者と共に時間旅行をする中で、シルビアは自分の内に眠る力を発現していく、それは因果律を捻じ曲げ、へし折り、任意のところに繋げる能力、いわゆる幸運と言われるものを生成する能力。

　彼女は元勇者とともに数々の困難に立ち向かい、その過程で成長していった。そして、ある時代で彼女が恋の予感を感じる相手と出会う。元勇者との冒険が進む中で、彼女の心に新たな感情が芽生えていく。

　その彼は彼女にムーンストーンの首飾りを贈る。

　「キミ、お父さん似だね」

　彼から言われた言葉にシルビアは全てを悟る。

　やがて、彼女は自らの運命を切り開く決意を固める。元勇者と新たに加わった彼とともにパーティを組み、過去と現在と未来を融合し、傷ついたレコードのように永遠のループをしてしまった世界を救うために立ち上がるのだ。　ループを断ち切ってしまったあとはもう二度と自分のいた世界に戻ることはできない。　シルビアの冒険は、幸運と勇気、そして愛に満ちた未来の旅へと続いていくのだ。