常世と現世の境界は斯くも虚ろで曖昧なものなのかと

冒頭から非日常に引き込まれます。

情景描写では――どこか不穏な空気が漂い、徐々に主人公たちに暗い陰を落としていくように感じます。

話が進むにつれて繋がっていく点と点。
現実と怪異の狭間で進んでいくストーリー。

単純に妖怪と霊能力で戦うような話ではなく、登場人物の過去や人生を巻き込んでいくドラマ性のある展開は、伏線が回収される度に快感を感じます。

早く先を知りたいという欲求と、今の世界にもう少し浸りたいという願望。

個人的にはゆっくりと噛みしめながら楽しみたい作品です。