QBオンライン国試の効果的な演習法:ミニテスト機能を使いこなそう

 QBオンライン国試のトップページに表示されている「ミニテスト」というボタンをクリックするとミニテスト機能が立ち上がります。画面上の説明が少なく初見ではよく分からないと思われますが、まずはそのまま「詳細条件変更」というボタンをクリックしましょう。


 ミニテスト機能ではそこに表示される項目を一つ一つ設定することで、自分が演習したい内容を選んでランダム演習を行うことができます。詳細条件の項目について一つ一つ解説していきます。



 「結果」→現時点での演習結果。「△」「×」「未演習」をONにすれば自分が全く解いたことがないもしくは解いて間違えた問題のみを演習することができ、最初は「△」「×」「未演習」のみをONにして未演習の問題を減らしていくべき。未演習の問題が少なくなってきたら「◎」「○」「△」「×」「未演習」を全てONにして過去に正解した問題を再チェックすべき。


 「過去1回でも×になった問題を検索」→文字通りと思われますが私はこの機能を使わなかったので解説を省略します。


 「最近演習した問題を除外」→大量の問題を解いている国試直前期に効果的で、例えば「2週間内を除外」とすれば「この問題ちょっと前に解いたから問題文読まなくても解ける」といったいわゆるジャンク演習を防止できる。「3日以内」~「3ヵ月以内」まで設定できるため工夫によっては直前期以外でも活用可能。


 「1周目」→出題範囲を近年出題された重要問題のみを集めた「1周目問題」とそれ以外に分けて指定できる。1周目問題が全て終わっていれば全範囲にしておけばよい。


 「画像」→出題範囲を画像付き問題と画像なし問題とに分けて指定できる。近年の国試は画像付き問題の割合が大きいので基本は両方ONにしておけばよい。


 「形式」→問題のジャンルを「必修」「総論」「各論」、形式を「一般」「臨床単問」「臨床長文」にそれぞれ分けて指定できる。臨床長文問題は2~3連問でありミニテスト機能では演習のペースを妨げるため基本は「臨床長文」のみOFFにしておくとよい。ただし臨床長文への対策も必要なため演習が進んできたら形式を「臨床長文」のみONにして別個に演習すべき。


 「特性」→問題の性質を指定できるようですが私はこの機能を使わなかったので解説を省略します。


 「ノート」→個人でメモを残している問題を指定できるようですが私はこの機能を使わなかったので解説を省略します。


 「正答率」→出題当時の正答率を下限0%、上限100%で10%刻みで指定できる。演習し始めの頃に「まずは正答率80%以上の問題から解いてみる」といった目的で活用可能。


 「分野」→出題する範囲を分野(≒診療科)ごとに指定可能。「内科・外科のみ」「小児科・産婦人科のみ」「マイナー科のみ」といった一括指定も可能。


 「回数」→出題する範囲を国試の回数ごとに指定可能。ただし指定できるのは最新10年分(第117回受験生の場合は第107回~第116回)のみで、それ以外は「第106回以前」とまとめられており個別に指定できない。


 「QB掲載」→紙書籍のQB国試に掲載されている問題と掲載されていない問題を分けて指定できる。QB国試に掲載されていない問題は解説が最新版に更新されていない場合があるため最初はQB掲載問題のみでよい。



 以上の詳細条件を設定したら元の画面で問題数(5問・10問・20問・30問・50問から選択可能)を選びます。私はいつも20問にしていましたが10問~30問の範囲なら好みで選べばよいと思います。


 ミニテスト機能を活用し、6年生は以下の順序でQBオンライン国試に取り組んでいくことをお勧めします。


 ①6年生に進級~卒業試験まで


 卒業試験の作問は近年の国試過去問を参考にして行われる場合が多いため少なくとも最新5年分の国試過去問はこの時点で全て解いておいた方がいいです。「回数」を最新5回、「結果」を「△」「×」「未演習」にして未演習の問題がなくなるまで繰り返しミニテストを回しましょう。未演習の問題がなくなったら「結果」の「◎」「○」「△」「×」「未演習」を全てONにして復習を行います。時間に余裕があればこの時点で②に進んでおくと卒試合格の可能性がより向上します。


 ②卒業試験終了~年末まで


 詳しくは別項で述べますが国試本番では過去10~15年分の出題内容は当たり前のように再出題されます。年末までに少なくとも最新10年分の国試過去問は全て解きましょう。方法は①と同じで構いません。


 ③1月中


 先述の通り国試は最低でも最新10年分、できれば第100回以降は全問解いておいた方がいいです。ただしQBオンラインの機能の制限上第100回~第106回は個別に指定できないため、ミニテスト機能は使わず回数別の過去問演習を地道に行いましょう。時間が足りなければ最新10年分でも合格には足ります。


 ④1月末~国試本番まで


 最新10年分の国試過去問の全範囲からミニテストを繰り返しましょう。ただし形式のうち「臨床長文」をオフにして進めてきた場合は何度か集中的に臨床長文の対策を行いましょう。ここまで進めれば国試過去問演習は完璧です。



 QBオンライン国試の演習には上記のようにミニテスト機能を活用したランダム演習をお勧めしますが、これはあくまで国試を数か月後~半年後に控えた6年生を対象としたアドバイスです。繰り返しになりますが現時点で4年生や5年生の場合は各分野のテーマ別に演習を進めていっても何の問題もなく、特に病院実習で回る診療科に合わせて演習を進めていければ理想的です。(ただし病院実習中は事前に思っていたよりも勉強できないことが多々あります。この問題については別項で解説します)


 さらに繰り返しとなりますが国試に向けた学力の向上には過去問演習や模試受験といったアウトプット式の学習と映像授業の受講やAnkiの利用によるインプット式の学習の両方が必要となります。成績が伸び悩んでいる6年生は自分がどちらかの学習に偏っていないか振り返り、勉強法に改善すべき点がないか考えてみることをお勧めします。

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