卒業試験第1回:下位20名入りの衝撃

 私は母校である私立大学の医学部医学科に入学してからは1回も留年せず6年生まで進級しましたが、現代日本の大学の医学部医学科とりわけ私立大学の医学部医学科は一般に進級要件が厳しいです。


 一般教養科目および一部の基礎医学科目で占められる1年生、ほぼ全て基礎医学科目で占められる2年生は各科目の定期試験を突破すれば進級できましたが3年生から5年生までは学年の終わりに必ず進級試験がありました。


 3年生の学年末には内科・外科の全範囲から出題される大学独自の進級試験、4年生の学年末には全国共通の学力試験であるCBTおよび全国共通の実技試験であるOSCEオスキー、5年生の学年末には国試とほぼ同じ範囲から出題される大学独自の進級試験がありその度に成績下位数名の同級生が留年していきました。


 私はこれらの進級試験にはいずれも合格できましたが後日発表された成績はいずれも学年の平均値と同じかやや上程度で、私は6年生になるまでは凡庸な成績の医学生としか言いようがありませんでした。


 そして私の大学では6年生の7月まで病院実習があり、病院実習の終了後は4回の卒業試験およびその後の医師国家試験に向けて模擬試験の受験日以外はほとんど自学自習のみのカリキュラムでした。


 先述の通りこれまで進級試験の成績はいずれも中ぐらいで、病院実習の終了後すぐに大学で受験した国試予備校MECの国試模試では学年30位程度の成績を取ったこともあり私は卒業試験もこのまま問題なく突破できるだろうと考えていました。


 しかし模試から数週間後に行われた最初の卒業試験の結果で私の成績は100名程度いる6年生の下位20名に入っており、これまで大学でこれほど悪い成績を取ったことがなかった私は強い衝撃を受けました。


 このままでは危ない、下手をすると留年してしまうと考えた私は闇雲に勉強する前にまず自分の敗因を分析することにしました。


 その当時考えたことをまとめた内容を次項に記します。

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