第7話 完璧美少女の幸せ

 (えへへ…)


 足取りが軽い。道行く人に二度見されても、つい頬が緩んでしまう。


 (ああ、幸せだ)


 好きな人と久しぶりに話した。

数多く言葉を交わしたわけではない。

めちゃくちゃ緊張したし、昔のようにすらすらと言葉が出てきたわけでもない。

…それでも、私はこれ以上なく幸せだった。


 ああ、懐かしいこの感覚。

私が言葉を発し相手が返す、ただそれだけでこんなにも楽しい。嬉しい。



…だけど、これで満足はしていられない。

やりたいことはたくさんある。

一緒に映画を観たり水族館に行ったり…

これは私の思い描いた未来への第一歩でしかないのだから。



 そしていつかは、あの時伝えられなかった想いも…



私は、絶対に失った7年間を取り戻してみせる。




 人生は諸行無常だ。出会いがあれば別れもあることは必然だろう。

…それなら、

 

 そんなものに左右されないほどの絆を、今度こそ


私はそんな決意を胸に、家路についた。

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