第6話

 絵梨と共にする夕食。

 ファミリーレストランが、彼女のお気に入りだ。

 最初に、彼女を連れて行ったお店は、イタリアンだったが、彼女は雰囲気に呑まれてあまり食べることが出来なかった。

 試しに、近くのファミレスに連れていくと、パクパクと食べてくれた。

 幼い頃、ひと月に一回程度に行っていたファミレスが大好きだったそうだ。

 素朴な人柄は、ますます好感が持てた。


「最近、私は器用になったみたい。人形で練習させてもらっているからだと思うわ。お礼を言います」


「それは、良かった。こちらこそ助かっているよ」


 この勢いで告白をと思ったが、何故か躊躇われた。

 彼女と僕の縁は、エリが繋いでくれたのだろうか?


 翌日エリを迎えに行くと、絵梨の雰囲気が、変わっている気がした。


 明るく、垢抜けて、都会的なセンスを感じた。

 髪型が変わったからだろうか?

 エリと同じフワッとしたミディアムヘアにまとめた彼女は、男を振り向かせる雰囲気を纏っていた。

 僕の心は、さらに絵梨へと傾いた。

 しかし…、


 コノイワカンハ、ナニカ?


 それからの絵梨は、劇的に変貌していった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る