瑠璃の家族

☆彡


 翠夢は、瑠璃の親に会いに行くことになった。どうやら、瑠璃自身が紹介したいようだ。1時間くらいになるようだ。


 休みの日ではあるが、一応、私服ではなく制服を着る。そして電車を乗り継ぐ。

 電車に揺られ、歩いていく。2時間後、瑠璃の家へ着いた。


☆彡


 瑠璃の家は、それなりの大きさであった。漫画に出てくるお嬢様みたいなものではないが、庶民派というには大きい感じである。庭がちゃんとある。首都圏の郊外まで出たらこうなるのだろう。

「ここが家です。もしかして、緊張してます?」

「まあ、緊張はしているけど、かつて瑠璃を恐怖症に落とした男が来たりしないかの方が心配だった」

「それなら大丈夫そう。私の親は誰からも優しいと言われるから」


 少なくとも、失礼にならないようにしたいと思い、インターホンを押して待つ。瑠璃と親の話が終わった後、玄関のドアを開けた…

「…お邪魔します」


☆彡


 いきなり、瑠璃の両親が出迎えていた。

両親「ありがとう。翠夢君。瑠璃から君の話は聞いている」

「私はちょっと部屋に…着替えてからリビングに行くよ」


 翠夢は瑠璃の両親に誘われ、そのままリビングまで引っ張られていった。瑠璃の着替えを考えつつも、この後どうなるのかを考えながら。


瑠璃の母「瑠璃からいろいろ聞きましたよ。あなたが、いい方向に変えてるって」

瑠璃の父「君みたいな人に会えるとは幸運だ」


 翠夢はかなり激しい質問攻めを受けた。最近何をしたのか、瑠璃とはどこまで行ったのか、そのほかいろいろだが、悪い気分ではなかった。

 それに、瑠璃の両親から、瑠璃は愛されているのだなと感じた。それに、話の間に、他の女性の方が出てきた。こちらは姉らしいが、その姉からも可愛がられているのがわかる。


 ただ、瑠璃の姉は翠夢にとってあまり良い印象を受けなかった。その理由が、


"からかい"


だった。翠夢はとにかく苦手としており、瑠璃の姉には残念ながらあまり関わりたくないと思ってしまった。


☆彡


 話が終わり、少し待つ。

「(…悪い人ではないだろう。こういう人で良かった。俺の両親は…別に悪い人ではないはずなのだが少し疎遠になってしまったな)」

「(瑠璃の家族全員に、理論上完璧な彼氏と言われてしまった。普通の人では付き合うのは難しいと思うが、そこまで褒められるのはわからない)」


☆彡


 そう考えている内に、瑠璃の部屋に呼ばれた。本来は下に降りてくる予定だったが、したいことがあるらしい。


 とんとん。

「ドア。開けて大丈夫か?」

「ちょっと準備中…今ならできるよ。心の準備ができた」

「じゃあ、開けるぞ」


 ドアを開けた。

 瑠璃の部屋だ。部屋を確認しようと見まわすが、思っている以上に普通の女の子の部屋…といっても翠夢は女の子の部屋に入ったことは初めてだが、その中で考えるのであれば、想像の通りと言えた。

 しいて言えば、ピアノが置いてあることくらいか。


 そんな瑠璃の部屋の中で、想像を超えていたのは、付き合っている女の子、瑠璃だった。


☆彡

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